2024年07月25日
「節約と値上げ」の意識についてのアンケート調査
若年層の節約に対する意識は引き続き高い傾向に
~「食費は今まで以上に節約したい」と感じる20代が13.7%増加~
~商品の価格だけでなく、コスパ・グラムあたりの価格を見て
“安さ”を判断していることが判明~
日本生協連は、この度組合員の「節約と値上げ」の意識について、調査結果を取りまとめましたのでご報告いたします。
2022年度より本格化した物価高騰は長期化し、経済不安がますます拡大する中で値上げによる影響や、組合員の食の消費にかかわる節約のポイントについての調査を実施しました。
(調査期間:2024年5月14日~5月19日、有効回答数:6,536件)
*若年層:20~30代、ミドル層:40~50代、シニア・シルバー層:60~70代
調査結果の主なトピック
■全体の約94%が日頃から節約を意識していると回答。
日頃から節約を意識していると回答した人に、回答の理由について尋ねたところ、「モノやサービスが値上がりしているから」(59.9%)が1位という結果になりました。2位、3位は「将来の生活に備えて貯蓄するため」(53.3%)、「不況・景気への不安がある」(36.1%)と続き、値上げによる経済不安の影響を受けていることが見て取れます。ここ3か月でどのような項目の節約を行ったかについて尋ねたところ、20代の76.8%が「ふだんの食事」と回答し、昨年より9.7%増加する結果となりました。
■若年層の約5割が、多少高くても食品を買う理由に「時短できる」(20代:47.7%、30代:49.4%)と回答。若年層ほど、時短を求めることが判明。
食品を買う際に多少価格が高くても買う理由となるものについて尋ねた質問では、2023年11月実施時の結果と変わらず「おいしい」(71.3%)、「国産品」(57.7%)、「添加物不使用・添加物が少ない」(42.0%)がランクインしました。4位の「時短できる」(31.2%)については、若年層の回答率が増加し、それぞれ20代は3.9%、30代は8.4%増加しました。若年層の「時短」における意識の変化が読み取れます。
■食費を節約するときに選ぶ方法について尋ねたところ、「セール(特価)のときに買う」(77.0%)が頭一つ抜けて1位となる結果に。他の回答については年代によって差があることが判明。
同質問を年代別にみると、若年層では「安く買える購入先で買う」(20代:70.9%、30代:74.0%)、「お得な大容量・増量品を選ぶ」(20代:47.3%、30代:42.3%)の割合が高い一方で、シニア・シルバー層では「材料を使い切る・使い切れる量しか買わない」(60代:46.3%、70代:45.3%)、「購入するものを事前に決め、必要なもの以外買わないようにする」(60代:29.0%、70代:33.6%)を回答する割合が、全体と比較すると高い結果となりました。
■ふだん食料品を購入する時にどのような安さ・価格に惹かれるかという質問では、「コストパフォーマンスが良い(価格に対する品質が良い)かどうか」(57.8%)が1位の結果に。
2位の「グラム・個数あたりの価格の安さ」(49.5%)は、前回調査に引き続き若年層で高い傾向となり、23年11月の実施時と比較すると5.2%増加する結果となりました。節約を強く意識している人は61.6%が同回答を選択し、前回の2位から1位になりました。人々は商品の価格だけでなく、コスパ、グラムあたりの価格を見て、"安さ"を判断して買い物をする傾向が強まっているということが分かりました。
■約6割の人が、今後も「食費は今と同程度節約したい」と回答。20代においては、「食費は今まで以上に節約したい」という回答の割合は、全体よりも高い結果に。
現在、節約意識の強い人ほど、「今まで以上に節約したい」という回答の割合が高く、節約意識の高い人は、現状の節約では足りないと感じる人も多いのではないかと推測することができます。20代では、「食費は今まで以上に節約したい」が39.7%と他の年代と比較すると高い割合となりました。一方で「食費は今と同程度節約したい」を回答する割合は49.7%と昨年時よりも11.9%減少しました。