2017年03月29日
大学生等の子どもがいる世帯の約2割で
教育費が可処分所得の40%以上に
2016年日本生協連「全国生計費調査」速報より
日本生協連は、1978年から全国統一版「生協の家計簿」による家計調査に取り組んでいます。
1996年からは、モニター登録制度による「全国生計費調査」を開始し、今回で21回目となります。このたび、2016年の速報がまとまりましたので、ご報告いたします。
調査集計対象者は、全国46生協で12カ月連続して家計簿を提出した組合員1,499世帯(平均年齢55.3歳、平均家族人数3.4人)、調査期間は2016年1月~12月です。
2016年の主な特徴は下記の通りです。詳細については、2016年「全国生計費調査」速報をご覧ください。
《トピックス》
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家計への負担が大きい大学生等の教育費
- 大学生等の子どもがいる世帯(272世帯)に限定すると、可処分所得※に占める教育費の割合が40%以上の世帯は21.0%に上り、家計への負担が大きいことが分かりました。
- また、中学生もしくは高校生の子どもがいる世帯では、年収と教育費は相関関係がありますが、大学生等の子どもがいる世帯の年収と教育費の分布をみると、年収が比較的低い世帯でも多額の教育費を支出している世帯が多く存在しています。
※可処分所得=実収入-(税金計+社会保険計)
2016年「全国生計費調査」速報の概要
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収入:給与所得世帯で2011年から一貫して増加傾向。妻の就労収入も増加が続く
- 年金世帯の実収入は月平均額で前年比1.7%増の34万1,436円でした。給与所得世帯は月平均額で前年比0.1%増の71万7,540円となり、2011年から一貫して増加傾向となっています。
- 給与所得世帯の妻の就労収入(給与、賞与、パート・アルバイト収入、自家営業収入の合計)は増加傾向が続いています。2016年も前年から3,396円増加し、実収入に占める割合が16.0%に上りました。
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消費支出:全世帯で前年比1.8%の減少。年金世帯の消費支出は過去10年で最も小さい値に
- 消費支出は前年と比較し、給与所得世帯、年金世帯ともに減少しており、全世帯では1.8%の減少となりました。
- 年金世帯の月平均額は26万719円と6.2%減となり、直近10年間で最も小さい値となりました。
- 前年からの変化が目立ったのが水・光熱費で、全ての年代で減少となりました。2015年基準消費者物価指数では「光熱・水道」は92.7となっており、物価の下落傾向と符合しています。
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非消費支出:給与所得世帯で、実収入の増加率以上に税金と社会保険料の負担が増加
- 給与所得世帯の実収入は増加傾向にあるものの、それ以上に税金と社会保険料による支出が大きくなっています。2007年を100とした指数で比較すると、2016年の給与所得世帯の実収入は102.4であるのに対し、税金と社会保険料の合計は120.8となっています。
※本調査では、給料と賞与が収入の半分以上を占める世帯を「給与所得世帯」と呼んでいます。
※本調査では、年金が収入の半分以上を占める世帯を「年金世帯」と呼んでいます。
<参考資料> 「全国生計費調査」速報より抜粋
実収入の月平均額の推移(指数)