2025年08月28日
2025ピースアクションinヒロシマを開催しました
2025年8月4日~5日の2日間、広島県生協連と日本生協連の共催で「2025ピースアクションinヒロシマ」を開催し、全国からオンラインでの参加者を含めのべ約3,300人が参加しました。
ピースアクションは、戦争・被爆体験の継承や、世界のさまざまな戦争や紛争、基地問題、憲法など、多角的なテーマで平和を考える生協独自の取り組みです。毎年広島、長崎、沖縄で学習講演会や交流会を実施しており、広島では1978年に生協の独自集会「虹のひろば」を中心にヒロシマ行動(2004年から「ピースアクションinヒロシマ」に名称変更)が始まり、今年で48回目となります。
今年は、被爆・戦後80年を機に、次世代への継承を意識し、平和活動に取り組む若者たちとの企画、被爆について語り継ぐ活動を行う方々の講演など、合計12企画が行われました。
学習講演会
昨年、子ども平和会議で講演いただいた小山美砂さんに「ヒバクシャとして認められていない被爆者の実態」や「黒い雨の実態」について講演いただきました。さらに世界の被害についてお話いただき、カザフスタンから来日中のマイラ・アベノバさんにもお話いただきました。

セミパラチンスク(カザフスタンの核実験場)の子どもたちの絵を持ってきてくださいました。
被爆した子どもが書いた原爆詩の参加型朗読会
「演劇集団ふらっと」の皆さんと一緒に、子どもが書いた原爆の詩の朗読をする参加型の朗読会を行いました。事務局メンバーも加わり、少人数のグループに分かれて朗読の練習をしながら詩を書いた子どもの気持ちに思いを寄せる時間となりました。

グループごとに朗読について説明・解説をしています。
子ども平和会議
未来の担い手である子どもたちが事前学習やワークショップに参加し、平和について一緒に学び、考える企画です。昨年はハイブリッドで開催しましたが、今年はリアル開催に一本化しました。全国から小学生から高校生まで39名の子どもが集いました。
ANT-Hiroshimの渡部久仁子さんにファシリテートいただきながら、平和について考え、話し合いました。会議で出された声はその後議長団(高校生)によってまとめられ、8月5日のピースアクションinヒロシマ「虹のひろば」のなかでアピール文として発表されました。
<アピール文(抜粋)>
今年で被爆80年。戦争、核兵器が使用されなくなるにはどうしたら良いのでしょうか。 戦争という言葉を身近な言葉であるケンカに置き換えてみたらどうでしょう。ケンカを止めるためにはお互いの意見を尊重し、話し合う、または人の意見を最後まで聞き、否定しない。そのようにしたらケンカは収まると思いませんか?
これから過去の戦争や実相、平和の尊さを伝えるためになにをすれば良いのでしょうか?被爆者の話を聞くことが出来る最後の世代と言われている私たちが、しっかりと聞き理解して伝えていくべきです。その話を聞いた人が友達や家族に伝え、さらに他の人にも伝えることで、人の輪が広がっていきます。
輪を広げるためには、積極的にSNSやインターネットで調べたり発信したり、イベントに参加したりと、一人一人の意識や行動が大切になります。
まずは、この一歩を踏み出すことからはじめてみませんか?


左:中央が渡部久仁子さん(ANT-Hiroshima) 参加者同士で「私+□=平和」について考えました。
虹のひろば
ピースアクションinヒロシマのクライマックスとなるイベントで、オンラインを含め全国から約2,300人が参加しました。
主催者を代表し、日本生協連代表理事会長 新井ちとせが冒頭、被曝・戦後80年である今日まで、被爆者の皆さんの献身的な証言活動によって「二度と被爆者をつくらない」「核兵器のない世界を」私たちに語り継いでくださっていることに触れ、挨拶を述べました。
来賓として広島市の松井一實市長、長崎市の鈴木史朗市長(ビデオメッセージ)からご挨拶いただいた後、被爆者の証言、地元の高校生らの活動紹介、合唱などが行われました。






<代表理事会長 新井ちとせ挨拶(抜粋)>
「平和とよりよい生活のために」のスローガンを掲げる私たちは、戦争や被爆体験の実相を継承し、戦争も核兵器もない世界への願いを次世代へつないでいくことの重要性を感じています。本日の「虹のひろば」も、その取り組みの一つです。
今、世界はかつてないほど平和の危機に直面しています。ロシアによるウクライナ侵攻は3年以上も続き、「核兵器使用の脅し」が現実味を帯びてきています。また、イスラエルとパレスチナ・ガザ地区の紛争も拡大し、子どもを含む多くの命が危険にさらされています。そして、世界の核兵器保有数は、残念ながら増加傾向にあります。
昨年、ノーベル平和賞を受賞されました日本被団協、代表委員の田中煕巳さんからは「みなさんがいつ被害者になってもおかしくないし、加害者になるかもしれない。また、生協は会話・対話ができる組織ですから、核廃絶に向けた共感の輪を広げてほしい」と力強いメッセージをいただきました。本日は、日本被団協 代表委員の箕牧智之さんにも、お越しいただいております。
これからも全国の仲間たちとともにくらしの中から平和を考え、話し合える場づくりを大切に対話と共感の輪を広げ、地域社会に発信していきたいと思います。