2023年04月05日
「ピースアクションinオキナワ ~第40回沖縄戦跡・基地めぐり~」を開催しました
日本生協連と沖縄県生協連は、2023年3月23日~25日、沖縄戦の実相と現在の沖縄が抱える基地問題を学び平和について考える機会として、「ピースアクションinオキナワ~第40回沖縄戦跡・基地めぐり~」を開催しました。
40回目となる今年は、「沖縄で学ぶ 子どもと戦争」をテーマに4年ぶりに現地参加による企画を再開し、全国から27生協71人の組合員・役職員が沖縄に集まり、学習講演会とフィールドワークに参加しました。学習講演会はオンライン配信も行い、全国各地から220人が視聴しました(当日視聴者数のみ)。
1日目の学習講演会の前半では、沖縄国際大学非常勤講師の川満彰さんから、「沖縄戦の子どもたち~戦争孤児を中心に~」というテーマで講演いただきました。川満さんは、沖縄戦で、米軍によって造られた民間人収容所にて、多くの孤児が亡くなったことを紹介しました。その上で、「ウクライナ紛争もそうだが、大人が戦争を起こし、被害を受けるのは子どもや高齢者など弱い立場の人たち。こうした人たちにとっては、戦後も、『戦場状態』が続く。孤児たちの戦争はいつ終わるのか」と述べました。
後半は、1944年、米軍潜水艦による魚雷攻撃で沈没し、子どもを含む多くの民間人が犠牲となった疎開船・対馬丸の生還者である平良啓子さんから、戦争体験をお話いただきました。平良さんは、過酷な体験を振り返り、「戦争がまた来るのではないかという不安もあり、二度とあのようなことが起こらないためにはどうしたら良いか考えている。海を見るたび、みんなの代わりに平和のために叫び続ける、という思いで手を合わせている」と、平和への強い想いを語りました。
その後、「大学生から見た沖縄の基地問題」と題して、地元沖縄の大学生から報告がありました。学生からは、県内の若い世代への意識調査で基地問題に対する関心が低下しているとして、「基地問題が『問題』として捉えられていないのではないか」と危機感が語られました。
2日目と3日目のフィールドワークでは大型バスに分乗し、対馬丸記念館、辺野古、嘉数高台・普天間基地、ひめゆりの塔などの戦跡・基地を回りました。参加者は、平和ガイドの説明を聞きながら、沖縄戦と基地問題についての学びを深めました。
参加者からは、「戦後と言われるけど、生き残った方のその後のご苦労は闘いだった。特に孤児は、今の私たちには想像もできないくらい困難な時代を生き延びてこられて今があると分かりました」、「大学生のお話では(平和や基地問題への)若い人の関心が少なくなっているということを聞き、様々な課題があることを思い知らされました。伝え続ける大切さを考えさせられました」、「教科書ではたった数行で説明された『沖縄戦』は、学んでみると知っておかないといけないことがこんなにもたくさんあったんだと思いました」などの感想が寄せられました。
日本生協連と全国の生協は、「ピースアクション」などの平和への取り組みを通じて、戦争体験の継承と、平和な社会の実現を目指します。