2024年12月05日
2024年お米についてのアンケート調査
もっとお米を食べたくなる条件は「安くなる・増量される(40.8%)」で
調査開始以来初の第1位に
~お米を選ぶ理由では「米が好き、おいしいから(63.1%)」も初めて第1位に浮上~
日本生協連は、「お米についてのアンケート」の調査結果を取りまとめましたのでご報告します。
令和5年産米は、記録的な猛暑等による作柄の悪化にともない相場価格の上昇が続きました。年産の途中では、中食・外食需要の増加や、米不足に関する報道の過熱、地震等の災害への危機感から、必要以上の買い占め・買い溜めによる品物不足や価格急騰が起こるなど、市場は大混乱に見舞われました。日本生協連では、主食であるお米の利用実態を把握し、生産者と産地の取り組みや応援に役立てることを目的に、全国の組合員を対象に、2021年度から続いて第4回目となるWEBアンケートを実施しました。
(調査期間:2024年10月1日~10月8日、有効回答数:6,438件)
調査結果の主なトピック
■2024年7月から9月頃、お米を「いつもどおり購入できた」人は18.4%。
2024年7月から9月頃、一部地域では、お米を購入しづらかったり、購入できなかったりする状況が発生しました。各家庭における当時の状況を尋ねたところ、「いつもよりも購入はしにくかったが、購入はできた」(41.9%)が最多で、「購入する必要がなかった」(27.6%)、「いつもどおり購入できた」(18.4%)が続く結果となりました。お米の入手先の調査結果とあわせて見ると、「いつもよりも購入はしにくかったが、購入はできた」方では「生協の宅配」(27.3%)および「スーパー(生協以外)」(27.0%)、「購入する必要がなかった」方では「親戚・知人からもらう」(27.3%)、「いつもどおり購入できた」方では「生協の宅配」(27.1%)が、特に回答数が多い入手先となりました。
■お米を炊く量・買う量は「2合~5合」「5合~10合」「10合~15合」が上位となり、前回調査とほぼ変わらない結果に。
各家庭で1週間に炊くお米の量は「2合~5合」「5合~10合」「10合~15合」が上位で、前回調査からほぼ変化はありませんでした。1週間に炊くお米の量は若い年代ほど多く、ピークは40代で、家族構成が影響していると考えられます。よく買うお米の量(規格)は、「5kg」が最多64%で、前回調査と比較すると、「10kg」購入は1%減少し、「1kg」未満の購入が1%増加しています。
■お米を選ぶ理由では「米が好き、おいしいから(63.1%)」が調査開始以来初となる第1位に浮上。
パンや麺などではなく、お米を選ぶときの理由について尋ねたところ、「米が好き、おいしいから」(63.1%で前年差2.8%増加)、「米を食べるのが習慣になっているから」(61.1%で前年差0.5%減少)がランクインしました。2021年の調査開始から2023年の調査まで、「米を食べるのが習慣になっているから」が第1位を占めていましたが、今回の調査で初めて、「米が好き、おいしいから」が第1位となりました。「米が好き、おいしいから」の回答数は、前々回53.5%、前回60.3%(+6.8%)今回63.1%(+2.8%)と徐々に上昇しています。また、「米は安い、経済的だから」の回答数は11.6%(前年差5.9%減少)となりました。回答数は前々回20.8%、前回17.5%(-3.3%)、今回11.6%(-5.9%)と徐々に減少しており、お米の相場上昇の影響が如実に表れる結果となりました(※)。
■もっとお米を食べたくなる条件は「安くなる・増量される(40.8%)」。調査開始以来初の第1位に。
もっとお米を食べたくなる条件について尋ねたところ、「安くなる・増量される」(40.8%で前年差6.2%増加)、「おいしくなる」(39.0%で前年差0.7%減少)がランクインしました。2021年の調査開始から2023年の調査まで、「おいしくなる」が第1位を占めていましたが、今回の調査で初めて、「安くなる・増量される」が第1位となりました。「安くなる・増量される」の回答数は、前々回28.2%、前回34.6%(+6.4%)、今回40.8%(+6.2%)と徐々に上昇しています。一方で、「おいしくなる」の回答数は調査開始以来、40%前後の高い水準をキープし続けている事から、今回の調査結果は「おいしさ」の重要度の低下を意味するものではなく、それ以上に、お米の相場上昇の影響を受けて『価格』『量』などコストパフォーマンスの重要度が上昇した事を示すものと推測します(※)。
※農林水産省の「米穀販売事業者における販売数量・販売価格の動向」によると、2024年9月末時点の小売事業者向け販売価格は、前年同期比147.9%