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日本生活協同組合連合会オフィシャルサイト

2018年06月28日

インドネシア「スラウェシ島 エビ養殖業改善プロジェクト」を開始
 自然環境や労働者・地域社会に配慮したエビ養殖業への転換を目指す
~日本生協連とエビ主力調達先BOMAR社、WWFジャパン、WWFインドネシアが協働~

 日本生協連は、2018年7月1日から、インドネシアにおいて「スラウェシ島 エビ養殖業改善プロジェクト」を開始します。

 
 水産資源をめぐっては、過剰漁獲などによる資源の枯渇や生物多様性の危機が世界的な問題となっており、持続可能な調達と消費をすすめることが重要な課題になっています。日本生協連はプライベートブランドであるコープ商品において、環境に配慮した持続可能な水産物の調達の拡大を進めています。 

 本プロジェクトは、インドネシア企業PT.Bogatama Marinusa / PT.BOMAR(以下、BOMAR社※1)、公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(以下、WWFジャパン)、WWF-Indonesia(以下、WWFインドネシア)と協働で3年間の予定で進めます。プロジェクトの目標は、「生態系・生物多様性の保全」と「持続可能な地域住民の生計確立と水産物の生産・消費」です。

 日本生協連は本プロジェクトの目標達成のために、まずはASC(水産養殖管理協議会)の基準に基づいた養殖業への改善を支援し、対象地域のエビ(ブラックタイガー)の「ASC認証※2」取得を目指します。

 ※1 BOMAR社:日本生協連がプライベートブランド(コープ商品)で扱う水産物のうち、エビ(ブラックタイガー)の主力取引先。

 ※2 ASC認証:環境と社会に配慮した責任ある養殖場で育てられた水産物に与えられる国際的な認証。

 

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  本プロジェクトでは、主な活動として、養殖池開発によって失われたマングローブの再生、水質調査などに関する手順書の作成とトレーニングの実施、エビの資源管理に関する政策提言などを行います。
 日本生協連は、生産者や取引先などとの協力・協同をすすめ、水産資源やその生育環境の持続可能性を高めることを目指してまいります。

プロジェクトの背景

 本プロジェクトの対象地域であるインドネシア・スラウェシ島南部のピンラン県では、エビ養殖が地域住民の重要な生計手段となっています。養殖業が将来に渡って継続していくためには、養殖池を作るために伐採されたマングローブ林の再生などの生態系と生物多様性の保全、自然環境に配慮した養殖業への転換が必要です。

 

エビ養殖池 ©WWF-Indonesia
エビ養殖池 ©WWF-Indonesia
収獲されたブラックタイガー ©WWF-Indonesia
収獲されたブラックタイガー ©WWF-Indonesia
マングローブ再生 ©WWF-Indonesia
マングローブ再生 ©WWF-Indonesia
養殖業者へのトレーニング ©WWF-Indonesia
養殖業者へのトレーニング ©WWF-Indonesia

 日本生協連は、2007年に海洋の自然環境や水産資源を守って獲られた水産物に与えられる「MSC認証(海のエコラベル)」商品の取り扱いを始めました。2017年には、ノルウェー産さばを原料とした商品の開発を行うなど、取り扱い魚種を拡大し、日本生協連の「MSC認証」商品の供給高※3は前年比440%となる41億円に伸長しました。

 ※3 供給高とは、日本生協連に加盟する会員生協への売上高のことです。

 

 今回さらに、持続可能な水産物調達に関する取り組みを強化するため、日本生協連がエビ(ブラックタイガー)を調達する産地のひとつである同地域の養殖場で、環境と社会に配慮した責任ある養殖への転換の取り組みを支援します。

 日本生協連はこうした取り組みを通じて、水産部門のコープ商品における「MSC認証」と「ASC認証」商品の供給高の構成比を2020年までに20%以上に引き上げることを目標としています。

 本プロジェクトの内容は、プロジェクトを協働しているWWFジャパンのWebサイトでも紹介しています。詳細は「スラウェシ島 エビ養殖業改善プロジェクト」へ(WWFジャパンのWebサイト)