2018年03月20日
所得別消費税負担率の「逆進性」さらに拡大
400万円未満世帯の負担率は1000万円以上世帯の2.04倍に
~2017年日本生協連「消費税しらべ」より~
日本生協連は、消費税が導入された1989年から毎年、組合員が家庭で負担している税額の調査「消費税しらべ」を行っています。2017年は、31生協341世帯のご協力を得て、その実態を取りまとめました。(調査期間:2017年1~12月)
本調査は、組合員が1年間つけた家計簿を基に、消費支出から非課税支出(住宅費、教育費など)を差し引いて税額を算出したものです。
詳細については、2017年「消費税しらべ」報告をご覧ください。
2017年の主な特徴
- 1世帯あたりの年間消費税負担額は平均240,145円となりました。2016年より4,111円減少しましたが、収入に占める割合は3.79%とほぼ横ばいとなり、消費支出に占める割合は5.81%と変わっていません。
- 収入に占める消費税負担額の割合を所得階層別にみると、年収400万円未満世帯で前年より0.51ポイントと大きく増加し5.72%となりました。調査世帯全体で4,111円減少しているにも関わらず、この階層では13,153円増加しています。その他の階層では600~700万円台世帯が0.38ポイント減少し、それ以外は、ほぼ横ばいでした。
- 収入に占める消費税負担額の割合は、年収400万円未満世帯で5.72%と、1000万円以上世帯(2.80%)の2.04倍になり、2016年よりもその差が開く結果となりました。このため、低所得世帯ほど消費税負担率が高いという「逆進性」は改善されませんでした。
- 本調査では、給料と賞与が収入の半分以上を占める世帯を「給与所得世帯」と呼んでいます。
- 本調査では、年金が収入の半分以上を占める世帯を「年金世帯」と呼んでいます。