2017年03月29日
年間消費税額は平均24万4,256円と微減
所得別消費税負担率の「逆進性」は拡大の傾向
~2016年日本生協連「消費税しらべ」より~
日本生協連は、消費税が導入された1989年から毎年、組合員が家庭で負担している税額の調査「消費税しらべ」を行っています。2016年は、35生協539世帯のご協力を得て、その実態を取りまとめました(調査期間:2016年1~12月)。
本調査は、組合員が1年間つけた家計簿を基に、消費支出から非課税支出(住宅費、教育費など)を差し引いて税額を算出したものです。2016年の調査の主な特徴は下記のとおりです。なお、詳細については、2016年「消費税しらべ」報告をご覧ください。
2016年の主な特徴
- 消費税が8%になって2年目を迎えた2016年は、1世帯あたりの年間消費税額は平均24万4,256円となり、前年から1万2,011円減少し、収入に占める割合も3.71%と0.12ポイント減少しました。平均年収は、給与所得世帯で818万円(約△5万円)、年金世帯で409万円(約△13万円)と、ともに減少。月別の消費支出も全ての月で前年を割っていることから、全体に消費が抑えられていることがうかがえます。
- 収入に占める割合(負担率)は、年収400万円未満(5.21%)から800~900万円台までの世帯(3.44%)は、若干の増減はあるものの、ほぼ前年と変わりませんでした。一方、1,000万円以上の世帯では2.67%となり、前年より0.45ポイント減少。これにより、年収別で税負担の割合を比較すると、400万未満が1,000万円以上世帯の1.95倍と、前年(1.74倍)よりもさらにその差が開き、低所得世帯ほど税負担率が高いという「逆進性」は改善されませんでした。
- 例年と同様に年金世帯の負担率が4.92%と、給与世帯の3.34%に比べ1.47倍になっています。2015年の年金世帯(4.94%)と給与世帯(3.49%)の比較1.42倍と比べてもその差は拡大しています。また、最も負担率が高かったのは年金世帯かつ年収400万円未満の5.41%でした。
※本調査では、給料と賞与が収入の半分以上を占める世帯を「給与所得世帯」と呼んでいます。
※本調査では、年金が収入の半分以上を占める世帯を「年金世帯」と呼んでいます。