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日本生活協同組合連合会オフィシャルサイト

2017年03月07日

「2016年度 家庭の食事からの放射性物質摂取量調査」の結果について ~全国19都県で調査 3年連続すべて不検出~

 日本生協連は、2011年度から「家庭の食事からの放射性物質摂取量調査」を6年間継続しています。2016年度も全国19都県の生協組合員253世帯のご家庭にご協力いただき、普段の食事2日分を検査しました。今回の調査の結果もすべて不検出となり、3年連続ですべて不検出となりました。

調査の目的

  • 一般家庭の日々の食事に含まれる放射性物質の量について、生協組合員の関心が高く、その実態を科学的に調査すること。
  • 東北・関東を中心に広く生協組合員の協力を得て、実際の食事と使用した食材に関する情報や食事に対する意識を調査することで、実情を把握すること。
  • 調査結果や関連情報を広く消費者の皆さまへ分かりやすく提供していくことで、現状を正しく理解するための一助とすること。

調査の概要

調査期間 2016年6月25日~2017年1月31日
実施数 253世帯253サンプル(内、福島県100世帯100サンプル)
対象地域

岩手、山形、宮城、福島、群馬、栃木、茨城、埼玉、東京、千葉、神奈川、新潟、長野、山梨、静岡、愛知、岐阜、三重、福岡の19都県

方法 各家庭の2日分の食事(6食分と間食)を1サンプルとして、すべて混合し測定
測定器 ゲルマニウム半導体検出器
検出限界 1Bq/kg(参考:図表1)
測定物質 セシウム134、セシウム137、カリウム40
検査機関 日本生協連、コープ東北サンネット事業連合、コープネット事業連合、ユーコープ、東海コープ事業連合、コープこうべ、コープ九州事業連合(エフコープ)の検査センター

図表1.厚労省が設定した放射性セシウムの基準値と

 今回の調査の検出限界の比較

※基準値は食品群ごとに設定されています。本調査のような食事サンプルに対して設定された値ではありません

 

  • 東北、関東を中心に実施数を2011年度250サンプル、2012年度671サンプル、2013年度435サンプル、2014年度256サンプル、2015年度263サンプル、2016年度253サンプルとしています。
  • 参考値としてヨウ素131も測定しましたが、すべて不検出でした。2011年度~2015年度もすべて不検出でした。

2016年度の調査結果の概要と、過去5年間の調査との比較

  1. 食事1kg当たりの放射性セシウムの量について
    • 2016年度に調査を行ったすべてのサンプルで、検出限界以上の放射性セシウムは検出されませんでした。
    • 2013年度までの各年度はいずれも放射性セシウムを検出したサンプルがありましたが、検出割合、放射性セシウムの最大値は、年度を追うごとに減少しており、2014年度以降は3年連続不検出となっています。
    • 6年間で2,128サンプルを調査した結果は、上記傾向となっており、放射性セシウムを1Bq/kg以上含む食事を継続して食べ続けている可能性は極めて低いと推察されます。
  2. 1年間当たりの食事からの内部被ばく線量について(放射性セシウム)
    • 2011年度~2016年度の調査で、放射性セシウムを検出した食事を1年間継続して食べ続けた場合の内部被ばく線量をサンプルごとに推定し、年度ごとに比較しました。
    • 内部被ばく線量の最大値は、2011年度~2013年度にかけて徐々に低くなっていました。
    • 2014年度~2016年度は放射性セシウムを検出しなかったことから、内部被ばく線量は2013年度当時よりもさらに低下していると考えられます。
      • セシウム137が検出され、セシウム134が検出限界未満の場合は、セシウム134が検出限界と同じ1Bq/kg含まれていたと仮定して算出しました。
  3. 放射性カリウムについて
    • 原発事故に関係なく食品中に含まれる放射性カリウム(カリウム40)の測定結果は14~49 Bq/kgとなり、2011年度~2015年度の調査結果と同様にすべてのサンプルから検出されました。1年間の内部被ばく線量は0.045~0.29mSvとなり、過去5年間と同等のレベルでした。

食事サンプルを提供していただいた方々の声

アンケートに記入いただいた組合員の声を一部ご紹介します。

  • 子供たちの将来がとても心配で毎日過ごしています。この調査により結果を見て回数を重ねるごとに少しずつ安心も得ています。
  • 実際に毎日食べている物の放射性物質摂取量を知ることができることは、とても安心につながると思います。いろいろな情報で大丈夫だとは思っていても、自分の家族の食べているものがどうなのか明確になり、公表されている情報についても、より信頼できると感じました。貴重な機会をありがとうございました。
  • 今回、放射性物質摂取量調査にあたり、普段、気にも掛けなかった食材(産地)などをもう一度見直し、振り返る事が出来たのでとても良かったです。良い機会をいただきありがとうございました。
  • 普段取っている食事の調査をしていただけるとの事で、とても興味深いです。家族の健康を第一に、これからも食事作りに頑張りたいと思います。
  • 子供たちの今と今後がまだ心配なので、生協の学習会や調査は今もとてもありがたい情報源です。
  • 原発事故から5年5カ月過ぎましたが、「だからもう大丈夫だろう」ではなく「それでも安心のため続けよう」というように調査は継続してほしい。
  • 震災から期間が過ぎ、少しずつ放射能への不安も薄れてしまっているが、不安がゼロになったわけではなく、現状に慣れてしまっただけのように感じます。そんな中で、こういった調査の結果は安心へもつながるし、続けていただきたいです。
  • いつもありがとうございます。福島の現状、少しずつ食事の不安がなくなっており普通に生活していることを県外の方に知っていただきたいと思います。そして福島の食材がとても美味しいということも伝えたいです。

今後の予定

  • 2017年度も調査を継続し、全国の生協・組合員と情報や課題を共有します。結果の発表は2018年3月ごろの予定です。
  • 引き続き、参加者に対する調査の意義や調査結果の見方の説明・質疑応答など、放射性物質に関するリスクコミュニケーションを行っていきます。