2017年02月28日
「第33回全国産直研究交流会」を開催しました
全国の生協では、「生産地と生産者が明確であること」「栽培、肥育方法が明確であること」「組合員と生産者が交流できること」などを基本とし、それぞれの地域で「生協産直」の取り組みを行っています。
2017年2月24日(金)~25日(土)、日本生協連は、「生協産直がつくる食と農のみらい」をテーマに、全国産直研究交流会を東京で開催し、産直事業に関わる全国の生協の役職員・生産者団体・流通業者など約300人の参加のもと、交流を深めました。
会場の様子
初日24日の全体会では、初めに慶應義塾大学経済学部 教授 金子勝さんから、「TPPの行方と新しい農業経営」と題した基調講演がありました。時代が産業構造の転換点を迎えていることを踏まえて、今後の「地域分散ネットワーク型」社会システムでは、消費者、生産者のつながりが大きな力になる可能性があるとお話されました。
講演する金子教授
続いて、(株)マイファーム 代表取締役社長 西辻一真さんから、「自産自消ができる社会へ」と題した報告がありました。マイファームの目指す「自産自消」とは、自分で野菜を作り収穫して食べることで、趣味で農業をする人が増えれば、国内農業への理解者が増えるだろうとお話されました。また、耕作放棄地をなくしたいという思いや、人と自然の距離を近づける取り組みの一つである体験農園マイファームなどについて伺いました。
報告する西辻さん
その後、NPO法人東北開墾 代表理事 高橋博之さんから、「『食べる通信』&ポケットマルシェについて」と題した報告がありました。『食べる通信』は、食の作り手を特集した情報誌と、その人が作る食べ物をセットで消費者に届ける「食べ物付き情報誌」です。『食べる通信』を通じて、生産者と消費者をつなぎたいという思いや、消費者と生産者が実際につながり、さまざまな交流が生まれた事例をお話されました。
報告する高橋さん
全体会の最後に、産直事業委員会委員長の京都生協 福永晋介さんから、「産直事業委員会報告」として、農産物品質保証システム10年の振り返りと生協産直の今後の課題について、報告がありました。
翌25日には、次の5つの分科会が設けられ、実践報告をもとに論議を深めました。
- 「地域再生と生協の役割」
- 「誰のためのGAPか?」
- 「つくると食べるをつなぐ!」
- 「生協産直の担い手の育成について」
- 「生産現場における働き手確保と援農の可能性」