コープこうべが兵庫県漁連などの協力を得て開催している海の食育活動「マリンスクールin明石」。
今年も12組の家族が明石の伝統的な保存食、干しダコ作りに挑戦しました。
最初に学んだのは、生きたタコの絞め方。
目と目の間にある神経を断ち切ると、あっという間にタコの体が白くなっていきます。
生き物が食べ物に変わっていく瞬間です。その様子をみんな真剣に見つめていました。
まずは桶から作業台までタコを運びます。生きたタコを手にするなんて初めての子ばかり。
うまくつかめなかったり、歩き出した途端、手からタコが飛び出したりと大騒ぎ。
運び終わったその顔はどこか誇らしげでした。
緊張しながら黙々と手を動かす子、動かなくなるさまを指先で確認しながらじっと見つめる子、「タコ焼きのタコは好きやけど、このタコはイヤや」と怖がる子…。
命をいただく作業との向き合い方はそれぞれでした。
専用の型にタコの頭を入れ、干した後にもう一仕事。
包丁で筋を切り、足の間もしっかりと開いて乾かすのがおいしく仕上げるコツなのです。
「切りやすいように、足を押さえててね」とお母さんとの会話も弾みます。
干した後も、触れると足や吸盤が動きます。「なんで動くんだろう?」。
さっきまで生きていたことを確かめるかのように何度も何度も触っていました。
理由はわからなくても、その感触はきっと忘れないはずです。
海風と強い日差しにさらされ、おいしそうな干しダコの完成です。
「今日はタコ飯!」なんていう声も聞こえ、みんな、出来栄えに大満足。
海の命を無駄なくいただいてきた先人の知恵を体験しながら、食べ物と自然がつながっていることを学んだ1日となりました。