2025年01月21日
全国の地域生協の事業概況と事業方針を発表
~物価高騰の影響により、宅配・店舗ともに前年を上回る~
~コープ商品の新たな取り組みとして「推しコープ全国キャンペーン」を展開~
日本生協連は、全国生協の事業概況と今後の活動方針について発表いたします。またコープ商品事業の取り組みや、環境・サステナビリティ政策についても併せてご報告いたします。
宅配事業:点単価の上昇に支えられ、供給高は前年を上回る。利用人数・点数は回復傾向に
2024年4月度~11月度の宅配事業は、供給高が前年を上回る結果となりました。利用人数、点数は回復傾向ですが、依然として点単価の上昇に支えられています(受注高:前年比101.2% 、利用単価:前年比102.5%、利用人数:前年比98.7%、利用点数:前年比98.4%)。 宅配事業の取り組みとしては、改善提案、実施実測、検証結果を参加者全員で共有し、宅配事業の経費構造の変化を目指して損益の改善に繋げることを目的に開催している宅配センター標準化スクールも引き続き実施しました。さらに、宅配の配達コース編成の起案にAIを活用することで、走行距離を短縮し、コース作成業務も合理化する配達コースの最適化に取り組んでいます。また、全国協同での若年層への接点獲得を目的に、生協宅配のおためしサイト TRY CO・OP(トライコープ)の参加生協での独自施策を展開しています。
店舗事業:物価高騰の影響で利用単価が伸長
2024年4月度~11月度の店舗事業は、ゴールデンウィークやお盆などのイベントの再開による人出の回復やインバウンド客の増加、地震や台風、大雨による防災特需、米不足などで客数が伸長しました。さらに原料やエネルギー価格高騰による食料品の値上げ、夏の高温による涼味需要の拡大で客単価が伸長しました。一方、実質賃金の低下により、節約意識が依然として高く、利用点数は前年割れの状況が続いています(供給高:前年比102.1%、利用単価:前年比101.9%、利用人数:前年比100.3%、利用点数:前年比98.7%)。店舗事業の概況は、建築コストの上昇や立地条件の良い用地の確保が困難になり、新規出店は4店舗に留まりました。生鮮強化により生鮮売場が拡大し、簡便需要に対応するため、総菜および冷凍食品の売場と品揃えも拡充されています。人員確保の課題に対応するため、セルフレジ(フル/セミ)や自動発注システムの導入を進めています。また、既存店でも宅配ステーションの設置が進み、組合員の利便性の向上や来店動機の創出に繋がっています。
日本生協連:総供給高3,394億円(全年比100.8%)と伸長(2024年4月~2024年12月)
日本生協連の総供給高は3,394億円(前年比100.8%)となり、前年を上回る結果となりました。コープ商品事業供給高は2,719億円(前年比101.4%)となりました。NB商品を主とした日用品・消耗品の供給を行うキャロット事業の供給高は、252億円(前年比100.3%)となりました。そのほか、衣料品などの供給を行うカタログ事業の供給高は391億円(前年比97.7%)、ギフト事業供給高は29億円(前年比97.6%)となりました。
2025年度の取り組み
推しコープ全国キャンペーン
これまでの「くらし応援全国キャンペーン」による「価格訴求」だけでなく、2025年度は「価値訴求」についての取り組みも進めるべく、5年ぶりのコープ商品人気投票企画となる「推しコープ全国キャンペーン」を実施します。全国の組合員が推しているコープ商品を、様々な形で全国にシェアをして、「もっとコープ商品を好きになってもらおう」という企画です。全国の生協のマスコットキャラクターも登場し、キャンペーンを盛り上げます。
くらし応援全国キャンペーン(24年9月~11月)
全国の生協で「組合員の生活」を一丸となって支え、コープ商品の「利用しやすい価格」と「品質」をあらためてご紹介し、組合員のくらしに最大限お役立ちすることを目的に特別価格で商品を提供する「くらし応援全国キャンペーン」の第3弾を2024年9月から11月まで実施しました。店舗・宅配合計で供給額前年比124%※(宅配:前年比126%、店舗:前年比120%、利用点数:前年比118%)となりました。第3弾では、過去2回のキャンペーン結果を分析し、より組合員のふだんのくらしに貢献する点から再検討し、特に関心・供給の伸びも大きかった「冷凍食品」を拡充して展開し、第2弾のキャンペーンよりもさらに好調な結果となりました。
※全国共通で取り組む商品として選定されているコープ商品(約180品)について(日本生協連供給額ベース)
コープ商品事業2024年度 部門別ヒット商品(24年4月~12月)
農畜産品 | ご飯がすすむ甘辛味付けが人気の「CO・OP 牛すじ煮込み 甘辛醬油味」がヒットしました。市場の品ぞろえが増えているチルド畜肉総菜ですが、今後「おにくのIPPINシリーズ」を強化していきます。 |
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水産品 | 水産ミールキットの中でも、濃厚マヨソースの「CO・OP 白身魚と彩り野菜のマヨソース」が人気です。2025年度は材料が揃っているオールインワンタイプに加え、「野菜を加える」タイプを開発しています。 |
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日配商品 | 日配商品では、主力販売商品の強化のため、「CO・OPとろけるゴーダシュレッドチーズ」は既存品の250g規格に加えて、大容量の400gを開発しており、好調に実績推移しています。 |
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冷凍食品 | 毎年、1品の有名店監修ラーメンの開発に挑戦しており、2024年度は創業90周年以上の老舗「麵厨房あじさい」監修による「CO・OP 函館麺厨房あじさい監修 函館塩ラーメン 2食入(208g×2)」を開発し、実績は好調に伸長しています。 |
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加工食品 | 発売30年を迎えた「コープヌードル」から、組合員による投票で決定したフレーバーの「CO・OP コープヌードル 柚子しお(鶏と魚介の旨みだし)」を発売し、人気商品となりました。 |
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菓子飲料 | 「CO・OP 国産果汁100% ミニパウチゼリー」は小さなパウチタイプなので、凍らせて半解凍で食べるのもお薦めです。暑い季節にもピッタリです。 |
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家庭用品 | 2024年度も商品の値上げが相次ぎましたが、その環境下で「CO・OPセフターENERGY(エナジー)抗菌・防臭」は嬉しい100g増量タイプを24年度限定発売。高い支持を頂いています。 |
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「エシカル消費対応商品」の進捗状況
エシカル消費対応商品の2024年度総供給高(売上高)見込みが推計2,661億円※(前年比108%)に
2024年度のコープ商品のエシカル消費対応商品の供給金額(売上高)は前年比108%となる2,661億円となりました。既存商品の容器包装問題への対応が進み、エコマーク認定商品(前年比122%)とFSC認証商品(前年比107%)の供給金額が牽引しています。2025年度からはエコマークの取得を中心とするエシカル消費対応商品の拡大を図り、社会・環境課題の解決に貢献していきます。
※組合員供給価格ベースの推計値、11月までの供給状況から単純推計
【2024年度の主なトピックス】
①エコマークアワード2024「最優秀賞」受賞
エコマークアワード2011においても「金賞(現:最優秀賞)を受賞しており、エコマークアワードでは初めてとなる二度目の最高賞受賞となります。 継続的にエコマーク認定取得に取り組み、新しいエコマーク認定基準にも積極的にチャレンジしていることなどを評価いただきました。
② 通販部門「くらしと生協」カタログのSDGsの取り組み
日本生協連の通販部門「くらしと生協」では、貴重な資源の有効活用を目的に、2020年度から不要な羽毛ふとんの無料回収サービスをスタートしています。回収量は年々増加しており(23年度、前年比2.8倍)、今後も継続して取り組むことで、持続可能な社会の未来づくりに貢献します。