2021年09月15日
「家計・くらしの調査」・「消費税しらべ」結果発表
ステイホームで食費増、外食費減。消費支出月額平均は17,000円減少
コロナ禍で交際費・娯楽費の出費を控えたためか、その他消費支出は減少
消費増税の影響で税負担額が増加。低所得層ほど負担率が高く
日本生協連は、組合員の家計とくらしの変化を捉え、社会に発信することを目的に、1978年より全国的な家計調査に取り組み、2018年からはインターネットによる「家計・くらしの調査」を実施しています。この度、2020年度の「家計・くらしの調査」結果を取りまとめましたのでご報告いたします。(有効回答数:749件)
また今回、「家計・くらしの調査」の参加モニターを対象に、消費支出に占める消費税の金額を調査する「消費税しらべ」を実施しましたので、合わせて結果をご報告いたします。(有効回答数:533件)
~調査結果の主なトピック~
【家計・くらしの調査】
<収入>
■世帯収入の月額平均※は前年比14,541円減少の634,107円に。年代別で増減に差も
組合員モニターの2019年と2020年の収入を比較したところ、2020年の収入月額平均は634,107円と2019年より14,541円低い結果となりました。年代別で見ると増減があり、30代以下では48,208円増加している一方で、40代では5,556円、50代では31,469円、60代は31,323円減少しています。
※世帯収入の月額平均は、年収を12ヵ月で割った金額です。
<支出>
■消費支出の月額平均は前年比約17,000円減少。「食費」が増え「外食費」が減少。
コロナ禍で交際費・娯楽費減少の影響を受けてか、その他消費支出は30代以下を除き減少
2020年の全体の支出(月額)は349,538円で2019年より約17,000円減少しました。年代別に見ると、50代以上は20,000円以上の減少が見られましたが、40代以下の支出額の減少は極わずかでした。支出費目別では、ステイホームが影響してか全世代で食費が増え、外食費は減っています。また、コロナ禍で交際費・娯楽費が減少したためか、「その他の消費支出」は30代以下を除き減少し、特に50代以上では20,000円以上の減少となりました。
<収支>
■年間収支平均は600万円未満の世帯で赤字に。400万円未満世帯では約35,000円赤字が増加
年収別に2019年と2020年の年間収支平均を比較したところ、世帯年収600万円以上の世帯で黒字幅が大きかったことが影響し、全体では778,006円の黒字となり、2019年より約23,000円高い結果になりました。年収別に見ると、600万円未満世帯では2019年同様2020年も赤字となり、400万円未満世帯では約35,000円赤字が増えていることがわかりました。
【消費税しらべ】
■消費増税の影響で全体の税負担額が増加。所得の低い世帯ほど負担率が高くなる傾向
2020年の消費税額の月平均額は23,696円と、前年より2,181円増加しました。新型コロナウイルスの影響で軽減税率適用の食費が増加し、交際費、娯楽費などを含むその他の消費支出や外食費など10%課税となる支出は抑えられましたが、全体で見ると税負担額が増加しました。2019年10月の税率引き上げの影響が数値に反映したものと思われます。
また、消費税負担額と収入に占める割合をみると、所得階層が低い世帯ほど負担の割合が高い傾向にあります。