2026年03月30日
介護の絆で未来を笑顔に。
コープ福祉機構主催、第1回「全国事例発表会」を開催しました
一般社団法人全国コープ福祉事業連帯機構(略称:コープ福祉機構)は、2026年2月7日(土)、第1回「全国事例発表会」を、渋谷会場およびオンラインによるハイブリッド形式で開催しました。本発表会のテーマは「みらいへのエール 今、ここから始まる介護の物語」。 全国31法人・約400名の現場の職員が参加し、約半年間にわたり実践してきた取り組み事例について共に学び、エールを送り合う意義深い時間となりました。
現場の知恵と工夫を全国で共有
全国から15法人が登壇し、「生協10の基本ケア」を基盤とした事例発表を行いました。生涯にわたり自分らしく生きることを目指した自立支援や、働く職員が楽しく仲間とつながり働ける工夫、自宅で最期のときを迎える方へのケア等、様々な報告が寄せられました。この発表会を通じ、全国の生協の介護職員が、いきいきとチャレンジを続けている姿を共有することができました。
事例報告 1 エフコープ生活協同組合
「見立て力」で広がる、笑顔と可能性 ~「見立て力」と基本ケアでチーム力を高める~
デイサービスで機能訓練士として働く山下万葉さんは、利用者の「やりたい」を形にする支援が生活意欲を引き出し、スタッフの支援力向上にもつながることを実感した事例を報告しました。
事例の中心は70代のAさんで、右中足骨切断後に退院し、歩行器で約20メートル歩ける状態で通所を開始。日々の会話を重ねるなかでAさんは「2年間、痛みと片足の生活で湯舟に浸かれなかった。またお風呂に入りたい。」と思いを語り、支援の方向性が定まりました。スタッフは家族、ケアマネジャー、訪問リハビリ、主治医と連携して安全面を確認し、Aさんは2年ぶりに湯舟につかることができました。その瞬間に見せた晴れやかな笑顔は、山下さんにとって忘れられない光景になったといいます。
この経験を機に、利用者一人ひとりの「やりたいこと」を丁寧にくみ取り実現へ伴走する取り組みが広がり、施設全体のチーム力向上につながっています。
事例報告 2 福井県民生活協同組合
Aさんのやる気スイッチを見つけよう! ~多職種共同で、生きがいを取り戻すプロセス~
居宅介護支援事業所のケアマネジャー・福田剛史さんは、訪問介護担当を含む関係者と連携し、94歳男性の支援事例を共有しました。
男性は転倒を重ねて歩行が不安定となり、外出や活動に消極的に。「外出は周りに迷惑をかける」「生きているだけでいい」と話すほど意欲が低下していました。
福田さんは、できなくなったことに意識が向き続けたことが要因ではないかと捉え、関係者で話し合いながら支援の再設計を進めました。支援の軸に据えたのは、生協10の基本ケアのうち「夢中になれることをする」「ケア会議をする」ことでした。以前の暮らしに戻すのではなく、いまできることの中で"楽しい時間"と役割を増やす方針のもと、デイサービスでの運動に加え、盆栽の手入れを楽しめる環境づくりや、将棋で周囲に教える機会づくりを行いました。
日々の変化を記録し、ケア会議で共有・調整することで小さな成功体験を積み重ねた結果、男性は意欲と身体機能を取り戻し、訪問介護サービスは終了、要介護度も3から2へ改善。
福田さんは「心が動けば、身体が動く」という言葉を胸に、本人の誇りを支え、関わりが"心の壁"を"役割"という自信へ変えていくケアを、今後も多職種で広げていきたいと語りました。
「みらいへのエール」を送り合う表彰式
発表会の最後には表彰式が行われ、「多職種伴走型ケア賞」や「奇跡のV字回復賞」、「ベストスマイル&サポート賞」など、各法人の取り組みを称えるユニークな賞が贈られました。 受賞法人の発表時には、オンライン参加者からもリアクションによる拍手がモニター画面いっぱいになるほど寄せられ、会場とオンラインが一体となって互いの健闘を称え合う場面が見られました。
引き続き、全国の仲間と共に「生協の介護の質の向上」に取り組み、誰もが安心して笑顔でくらせる福祉の実現を目指してまいります。
