2024年03月19日
「2024ピースアクションキックオフ集会」を開催しました
2024年2月28日、日本生協連は「2024ピースアクション(※)キックオフ集会」をオンラインで開催し、43生協から223人が参加しました。
※ピースアクション:生協では、「平和とよりよい生活のために」という理念のもと、平和活動「ピースアクション」に取り組んでいます。自分たちの住んでいる地域から平和について考え、学習するさまざまな取り組みを進めています。
冒頭、日本生協連代表理事統括専務の嶋田裕之があいさつをし、「2024年が、ビキニ事件から70年を迎え、翌年には戦後80年となり、次の世代につなぐ重要な年になること」、「ロシアによるウクライナ侵攻の出口が見えない中、イスラエルとパレスチナの軍事衝突によって罪のない多くの民間人の命が犠牲になるなど、世界では平和を乱す紛争が勃発していること」などに触れ、このキックオフ集会が平和の願いをより多くの人に広げていくきっかけになることへの期待を述べました。
続いて、「今あらためて、戦争を考える」と題して、3人の講師による学習講演とパネルディスカッションが行われました。
はじめに、東京大学大学院 情報学環 ・学際情報学府教授 渡邉英徳氏から、デジタル技術を駆使して広島・長崎の被ばくの実態を辿ることができるヒロシマ・アーカイブ、ナガサキ・アーカイブや、現在進行している戦争や災害の様子がわかる衛星画像の紹介があり、デジタル技術の活用の可能性が示されました。
続いて、赤十字国際委員会 (ICRC)駐日代表の榛澤祥子氏から、「赤十字国際委員会(ICRC)の使命」と題し、160年以上続く同委員会の紛争地域における支援活動の内容や「国際人道法」の重要性、などが話されました。
次に、ユニセフ(UNICEF)シリア事務所副代表の根本巳欧氏から、13年に及ぶ長引く紛争の中で追い打ちをかけるように大地震が襲ったシリアの深刻な現状、子どもたちの声を復興に生かす必要性などが報告されました。
パネルディスカッションでは、「テクノロジーによる情報発信」、「支援と平和構築の未来形」、「国際社会の役割と責任・市民のできること」という3つの議題で討論がなされ、参加者は理解を深めました。
その後、「核兵器廃絶と日本の役割」と題して、日本被団協事務局長 木戸季市氏、長崎大学核兵器廃絶研究センター副センター長・教授 河合公明氏から報告がありました。
木戸氏は、「2023年の核兵器禁止条約第2回締約国会議に参加して、多くの国や人々が核兵器のない世界を切実に求めていることを実感し、核兵器禁止条約の発効の大きな力を感じた」と述べ、河合氏は、核兵器禁止条約の評価が二分される理由や、安全保障と軍縮の関係について解説し、また、良い「問い」を立てそこから議論を深めることの重要性について述べました。
その後、参加者が小グループに分かれてグループディスカッションを行い、講演の感想や各生協の平和の取り組みについて共有しました。
参加者からは、「1人では何もできないと思っていましたが、決して無力ではないのだと思いました。考え方の違う人との話は平行線と思っていましたが、問いからのアプローチがあるのだと驚きました」などの感想が寄せられました。
日本生協連と全国の生協は「2024ピースアクション」の取り組みを通して、核兵器の廃絶と平和な社会の実現をめざして取り組んでいきます。