2017年12月12日
ILO公開セミナー「児童労働のいまとSDGs達成に向けて~私たちにできるアクション~」が開催されました
2017年12月7日、国際労働機関(ILO)駐日事務所主催の「児童労働のいまとSDGs達成に向けて~私たちにできるアクション~」※1が、東京都内で開催されました。
1 2015年9月、国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」では、17の目標と169のターゲットからなるSDGs(持続可能な開発目標)を掲げています。
セミナーでは、児童労働の現状と児童労働撤廃に向けた動向について、講演とパネルディスカッションが行われ、パネリストとして新井ちとせ 日本生協連副会長が生協における世界の児童労働撲滅に関係する活動について報告しました。
講演は、フランチェスコ・ドヴィーディオ ILOジュネーブ本部 労働基本原則・権利局 ソリューションズ・イノベーション(オペレーション)部長による「児童労働の現状とILOの取組み」と、堀内光子 児童労働ネットワーク(CL-Net) 代表、岩附由香 認定NPO法人ACE代表による「第4回児童労働世界会議報告と日本への示唆」をテーマに行われました。
次いで、パネルディスカッションは「SDGs8.7:児童労働をなくすために私たちができること」※2をテーマに行われました。大崎麻子 特定非営利活動法人Gender Action Platform理事をモデレーターとして、講演いただいた3人に加えて、2人のパネリストがそれぞれの実践事例を報告し、児童労働を終結させるための取り組みについて意見を交わしました。
2 SDGsの目標8「包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する」において、ターゲット8.7「強制労働を根絶し、現代の奴隷制、人身売買を終わらせるための緊急かつ効果的な措置の実施、最悪な形態の児童労働の禁止及び撲滅を確保する。2025年までに児童兵士の募集と使用を含むあらゆる形態の児童労働を撲滅する」と定めています。
パネリストの一人として参加した日本生協連副会長 新井ちとせは、生協のエシカル消費の取り組みとして、フェアトレード商品の取り扱いやユニセフ募金、WFPレッドカップキャンペーンについて紹介し、いずれも児童の就学率の向上に寄与する支援活動であり、子どもの就学率向上は、児童労働の削減に直結することを報告しました。また、持続可能な社会に向けて、生産と消費を通して児童労働の撲滅を宣言したいと述べました。
パネルディスカッションでは、「児童労働は日本にも関係がある問題であり、サプライチェーン全体の取り組みが大事である。国内で関心を高め、できることから進めていきたい」などの意見が出されました。