「学校図書館げんきプロジェクト」〜寄贈先の小学校を訪問

2013年4月29日

「学校図書館げんきプロジェクト」〜熊町小学校&大野小学校

○町全体で取り組んできた「調べ学習」


日本生協連が「つながろうCO・OPアクションくらし応援募金」の一環として支援する「学校図書館げんきプロジェクト」。実際に寄贈された本は、どのように活用されているのでしょうか。福島県大熊町から会津若松市に避難している大熊町立熊町小学校と大野小学校を訪れました。


大熊町は全域が警戒区域となり、すべての住民が町外で避難生活をおくっています。熊町小学校(同96人)と大野小学校(児童数138人)は会津若松市の旧・河東第三小学校の校舎を合同で利用。児童たちが日々学んでいます。


日当たりのよい校舎2階の図書室をのぞくと、近ごろ珍しい畳敷きでした。司書の志賀潔子さんは「利用は、2時限目と3時限目の休み時間(15分間)と昼休みが中心になります」と教えてくれました。畳なので児童たちは思い思いの姿勢で本を読んでいます。コロコロと寝転ぶ子、本を見ながら絵を描く子、また生徒同士で読み聞かせをするグループもあるそうです。

生徒たちは畳敷きの図書室で本を読む

「生徒は授業中も本を探しに来るんですよ」と言う志賀さん。実は、大熊町は教育にとても熱心で、「調べ学習」にも力を注いできました。調べ学習とは、ある課題について児童が図書館を利用し、聞き取り調査なども含めてまとめる総合学習の1つです。

大野小学校の教諭、三本杉文子さんは「学力の基礎は読書です。図書室を使っていろんなことを調べながらまとめることは、町全体で取り組んでいました」と話します。とにかく本をたくさん読むこと、さらに本で調べてまとめる力をつけようと努めてきたそうです。


震災前、大野小学校には教室4つ分もの広さをもつ図書館ができたばかりでした。そのきっかけは、町長や教育長を招いて行なった「こども議会」での児童の発言です。
「ある児童が『うちの小学校の図書室は狭くて混むので、もっと広い図書室が欲しい』と言ったのです。それで2階建ての多目的ホール兼図書館ができました」(三本杉さん)
このエピソードにも大熊町の教育に対する姿勢が表れています。

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