「三陸産生わかめの復興に向けて(5)」

2012年3月 7日

◆「CO・OP三陸産生わかめ」の製造工場かわむらの復興レポートです。今回は第五回、11月に新しい砂子工場が完成、かわむらから組合員の皆様へのメッセージです。

 

●11月15日、新しい砂子工場が完成、新しいかわむらへ

それからさらに3ヶ月半が経ち、11月15日、ついに新しい砂子工場が完成した。試運転に1週間ほどかけ、11月21日に本格稼働を始めた。以前に作っていた乾燥わかめや冷凍品を、そのまま作ることができる。機械は新しくなり、その分、品質はレベルアップできるという。

2012_kawamura_06.jpg

(11月に稼働しはじめたばかりの砂子加工場。乾燥わかめや冷凍ワカメの生産を行う。)

 

同じく11月、岩手県陸前高田市でもイクラの加工場が新しくなって復活した。もとは冷蔵・冷凍施設だったが、被災した後、破損した建物をきれいに片付け、残った土台の上に新たに1,500坪の工場を新設した。従来、宮城県気仙沼市内にあった2つの工場を集約し、生産のキャパを元に戻すことができたという。

「工場建設を急ピッチで進めたのは、イクラの漁期に間に合わせたかったからです。これまではわかめにしてもイクラにしても固定客の方がいるのが当たり前でした。しかし、もし生産に1年開いてしまえば、お客様に忘れられてしまう。震災だからと甘えていられません。かわむらの信用はもちろん、三陸のブランドを守りたい。今年ほどそう強く思ったことはありません。ですから、利用するみなさんにも、きちんと評価していただきたいんです」

この9ヶ月は、かわむらにとっては全力で走ってきた最短の時間だったが、消費者にとっては遅いはずと、川村さんは語る。

熊谷さんもこう語っている。

「世の中では同じような商品は常に動いています。ですから、お客様が待ってくれるはずがない。私たちがせっかく築いてきた信用を失うわけにはいかない。お客様に品物を届けることができた時点で、我々の復興は完了になりますから」

これまで築いてきた品質への自信、そして、消費者・生協の組合員から寄せられる信頼が、今のかわむらを支えている。