さいたまコープ・旧騎西高校での避難所応援隊

2011年8月17日

福島県双葉町(ふたばまち)などの皆さんが避難している埼玉県加須(かぞ)市の旧騎西(きさい)高校では、さいたまコープも協力し、食材の提供や炊き出しのほか、子育て応援の子育てサロンやイベントなどを行っている。毎週の炊き出し活動の中心を担うのは「避難所応援隊」。組合員、職員、OB職員など約100人がボランティアとして登録している。

「地域に関わり、地域で役割を発揮することの大切さを、避難所の人たちから改めて教えていただいた気がします。若い職員たちにも、自分たちの仕事が地域に関わっていたんだという実感を与えてもらっています。われながら、生協ってなかなかやるじゃないかと思いました(笑)」
と語る、さいたまコープ・参加とネットワーク推進室で地域ネットワーク部長を務める福岡 和敏(ふくおか かずとし)さんにお話を聞いた。

◇避難所の声に耳を傾けて

「『生協さん、頼みがあるんだけど……』と、避難所で声を掛けていただくことが多くなりましたね」と福岡さんは笑顔を見せる。
さいたまコープでは“つなげよう 笑顔”をスローガンに掲げ、地震発生以来、義援募金の取り組みや、被災地への職員の派遣、ボランティアの派遣など被災者支援に力を注いでいる。しかし、旧騎西高校避難所での支援では、最初から100%の力を発揮できたわけではなかった。

「初めは何をしていいのか分からない状態だったんです。でも、とにかく避難所に足を運んで、生協にできることを考えました。すると、お母さんたちの間で『(栄養バランスが崩れたことで)口角炎になる子どもが増えた』『いつも高カロリーのお弁当では食べにくい』『野菜やさっぱりしたものも食べたい』などの声が多いことが分かってきました。そんな声に応えて、野菜が多く入った具だくさんのみそ汁の炊き出しをしてはどうかと考えました」
そこで、旧騎西高校避難所内に設置されている双葉町役場出張所に提案したところ受け入れられ、2011年4月21日から本格的な支援がスタートした。