2012年08月03日
「消費者基本計画」の検証・評価(2011年度)および計画の見直し ~日本生協連の意見の反映状況について~
「消費者基本計画」の検証・評価および見直しを行うにあたって、日本生協連は2012年5月16日に、消費者庁へ意見を提出しました。
7月20日に閣議決定された「消費者基本計画および具体的施策の実施状況に関する検証・評価(2011年度)」について、日本生協連が提出した意見の反映状況についてお知らせします。
〈日本生協連の意見が反映された主な点〉 | |
○ |
食品安全基本法第21条第1項に既定する「基本的事項」のすみやかな改定を求めました。 これに対して、「基本的事項」の変更は2012年6月29日に閣議決定され、消費者基本計画の実施時期も「一部実施済み」に変更されました。 |
○ |
地方自治体への放射性物質検査機器の貸与事業に関連して、国民生活センターの運営費交付金を活用して当初実施する予定であった地方公共団体の消費者行政を支援するための事業についても評価を求めました。 これに対して、国民生活センターによる「消費生活相談専門家による巡回訪問事業」の実施状況についての記述が、2011年度の施策の検証・評価に追加されました。 |
○ |
日本工業標準調査会への消費者代表者の参加状況について、事業者など他代表との比較で、消費者代表が占める割合も加えて評価することを求めました。 これに対して、「消費生活関連規格等の消費者代表者が参画する規格の審議においては、委員の構成が適正な比率で実施されている」旨の記述が、2011年度の施策の検証・評価に追加されました。 |
〈日本生協連の意見が反映されなかった主な点〉 | |
○ |
食品中の放射性物質問題についてのリスクコミュニケーションについて、回数・内容の充実を求めました。また、食中毒に関わる取り組みの積極的な実施も求めました。 これに対して、消費者基本計画に変更はなく、2011年度の施策の検証・評価も、4月27日公表の素案から変更はありませんでした。 |
○ |
食品表示一元化の法制化について、現行の食品表示の検証や表示の実効性の検討も行った上での早急な論点整理を求めました。また、法律で定めることと事業者の自主的な取り組みに任せることの整理も求めました。 これに対して、消費者基本計画に変更はなく、2011年度の施策の検証・評価も、4月27日公表の素案から変更はありませんでした。 |
○ |
特定商取引法改正案の成立後、「法執行体制の整備や消費者および事業者への周知等を行い、制度の速やかな定着を図る」旨の記述の追加を求めました。 これに対して、消費者基本計画の具体的施策に変更はなく、2011年度の施策の検証・評価も、4月27日公表の素案から変更はありませんでした。 |
○ |
地方消費者行政活性化基金の終了後、さまざまな理由で消費者行政の強化が困難な地方自治体での取り組みも下支えする財源確保の検討について、記述の追加を求めました。 これに対して、消費者基本計画の具体的施策の当該部分は、4月27日公表の素案から大きな変更はありませんでした。 |
○ |
集団的消費者被害回復に係る訴訟制度の実効性を担保するため、適格消費者団体への財政支援も含む支援措置について、期限を明記しての具体化を求めました。 これに対して、消費者基本計画の具体的施策に変更はなく、2011年度の施策の検証・評価も、4月27日公表の素案から変更はありませんでした。 |
〈日本生協連が意見を提出した施策で、消費者基本計画の内容が後退した主な点〉 | |
○ |
地球温暖化防止に向けた日本の温室効果ガス削減の積極的な目標を早急に定め、その達成のための国民運動の再構築を求めました。 これに対して、「1990年比25%削減する目標の達成に向けた新たな国民運動であるチャレンジ25キャンペーン」等の記述が消費者基本計画から削除され、内容的にむしろ後退しました。 |
☆日本生協連の提出意見概要と反映状況は、こちら(PDF:177KB)
☆日本生協連が5月16日に提出した意見書は、こちら(PDF:194KB)