2010年NPT再検討会議結果に対する共同談話
核兵器のない世界の実現に向けての新たな第一歩を歓迎します。
あわせて、全世界が、核兵器のない世界の実現に向けて具体的な取り組みを進めることを訴えます。
2010年6月17日
日本被団協NPT再検討会議要請代表団 団長 坪井 直
日本生協連NPT再検討会議生協代表団 団長 芳賀唯史
2010年国連NPT再検討会議において、5月28日、全会一致で最終文書が採択されました。
日本被団協では、2010年NPT再検討会議にむけて、準備委員会への代表派遣、国連での原爆展開催の交渉と制作、全国の被爆者からメッセージを集めるなど、数年がかりで準備をすすめてきました。締約国の元首あての要請で、2000年再検討会議の合意を再確認し、さらに核兵器廃絶への確かな道筋を明らかにすることを求めました。
一方、生協では、被爆者の方々と協同した被爆の継承活動や学習、核兵器廃絶の願いを各国政府に伝えるメッセージカードを送る、被爆の実相を世界に広げるための被爆者支援募金、平和市長会議の活動支援などを全国の生協で展開してきました。
そして今回、日本被団協と日本生協連は、合同の代表団(日本被団協52名、生協代表団47生協105名)を結成し、ニューヨーク現地で、被爆者の活動を生協代表が全面的にサポートし、協同して、学校などでの証言活動や国連原爆展の対応、政府代表部への要請行動など、被爆の実相を広げる活動に取り組みました。
最終文書では、核兵器廃絶への具体的な期限は示されませんでしたが、2000年の再検討会議で合意された「核兵器廃絶への明確な約束」が再確認されると共に、核保有国が2014年準備委員会で核軍縮状況の報告をすることや、2012年に中東での国際会議開催が盛り込まれるなど、核兵器廃絶へ向けた具体的な行動計画を決定したことは、今後へ向けての一歩を踏み出したことだと歓迎します。
核兵器廃絶を訴え続けてきた、日本の被爆者や国民、世界の平和を願う市民の声が反映されたものといえます。
核兵器の廃絶に向けて、採択された今後の行動計画が実行され、さらなる具体化が進むことを、私たちは期待します。
しかし、今回の再検討会議では核兵器廃絶への道筋はまだ明確になっていません。引き続き全国から核兵器廃絶を求める声を上げ取り組みを継続することを訴えます。
また、被爆者の高齢化が進む中で、被爆の実相を継承していくことが急務となっています。私たちは、今後も協力して、全国で被爆の実相を伝える取り組みを進めていきます。
核兵器のない世界が一日も早く実現するよう、全国で核兵器廃絶に向けての取り組みを進めていきましょう。
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