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日本生活協同組合連合会オフィシャルサイト

2006年01月24日

「米国産牛肉の輸入再停止問題に関する要望書」 を提出しました ~原因追及とリスクコミュニケーションの実施を要望~

農林水産省と厚生労働省が、2006年1月20日夜、同日午前に成田空港内の検疫所において、SRM(特定危険部位)が除去されていない牛肉が発見されたことから、この原因について米国政府から報告があるまでの間、すべての米国産牛肉の輸入手続を停止することを決定しました。

日本生協連(本部:渋谷区、小倉修悟会長)は、1月24日、この件について、リスク管理機関である厚生労働省と農林水産省に、下記の要望書を提出しましたのでご案内します。

<中川 昭一 農林水産大臣と川崎 二郎 厚生労働大臣 宛に提出した要望書>

2006年1月24日

日本生活協同組合連合会

米国産牛肉の輸入再停止問題に関する要望書

1月20日に、成田空港内の検疫所でSRM(特定危険部位)が除去されていない牛肉が発見されたことを受け、原因について米国政府から報告があるまでの間、すべての米国産牛肉の輸入手続が停止されました。

当会は、今回の問題について、貴省が実施する前提条件の遵守等、リスク管理機関としての責務がきちんと果たされることが最も重要であると考えます。

また、原因究明や今後の対応にあたり、貴省において、検討過程等に関する説明責任が果たされること、及びリスクコミュニケーションを実施することも重要と考えます。

以上の基本的な考え方に基づき、以下の事項を要望いたします。

当会は、昨年12月の米国・カナダ産牛肉等の輸入再開決定にあたり、12月13日に以下の意見を述べてきました。

1. リスク管理機関である厚生労働省と農林水産省が、政策決定にあたってリスクコミニュケーションを行わなかったことは誠に遺憾であること。

2. 米国の輸出プログラム等の遵守状況の検証を両省が実施し、国民・関係者に丁寧にリスクコミュニケーションを実施すること。

このような経過の中、今回米国産牛肉からのSRM(特定危険部位)混入が判明したことは、誠に遺憾であると考えます。

この問題は、輸入再開の前提とされていた「輸出プログラムの遵守」が徹底されていなかったことによるものです。米国農務省は、再発防止対策等の概要を公表しておりますが、リスク管理機関である貴省から米国政府に対し、「遵守の不履行」という不誠実な態度について厳しく反省を求めることが重要です。併せて、今後の再発防止にあたっては、米国政府から詳細な情報を求めるとともに、原因究明を行い、輸出プログラムの実効性を確保する手段について、全面的に再整備する必要があると考えます。その際には、食品安全委員会をはじめ、専門家の意見を聞くなど慎重な検討が求められます。

また、この問題は、輸入再開にあたっての強化月間として、両省から検疫所に対し、全ロット検査が2006年3月31日まで指示されていたため判明したものです。国内の検疫所における点検や輸入事業者への指導などは輸出プログラムの実効性を確保する上で重要であり、引き続き対応を強化することを要望いたします。

最後に、今回の問題に関する原因の説明や米国の再発防止策に対する日本政府の考え方、今後の政府としての対応等について、国民・関係者に対し、丁寧なリスクコミュニケーションが実施されることを要望いたします。