2005年12月12日
米国・カナダ産牛肉等に関する食品安全委員会の 答申についての日本生協連のコメント
12月8日、食品安全委員会は厚生労働省と農林水産省に米国・カナダ産牛肉等に関するリスク評価の答申をしました。両省は答申を踏まえ、米国政府と協議を実施し、輸入再開に関する条件について、米国政府と合意したことを12日に発表しました。この件について、日本生協連は「食品安全委員会が厚生労働省と農林水産省に対して、食品安全基本法における勧告を、強く行わなかったことは遺憾、輸出プログラム等の遵守状況の検証を厚生労働省と農林水産省が実施し、国民・関係者に丁寧にリスクコミュニケーションを実施すること」などの内容のコメントを掲載します。
<日本生協連のコメント>12月8日食品安全委員会答申について
2005年12月9日
日本生活協同組合連合会
食品安全委員会は、プリオン専門調査会が取りまとめた米国・カナダ産牛肉の輸入再開に関するリスク評価を審議結果として確認しました。
今回のリスク評価は米国・カナダが日本向けに実施する食肉輸出プログラム等が遵守されているとの前提でまとめられたものであり、前提条件の遵守確認をはじめ、リスク管理機関である厚労省・農水省が今後施策の実施に向けて果たすべき責務は重大なものがあります。
この点に関しては、審議結果の「結論」と「結論への付帯事項」においても、「規制の遵守に関する実効性の確保」や「リスク評価の過程で問題となった点」が述べられており、当日の委員会会合でも複数の委員からリスク管理機関への要請の必要性が述べられています。食品安全委員会が、審議結果の内容に基づいて、食品安全基本法における勧告として、厚生労働省と農林水産省に対する強い意思表示を行わなかったことは遺憾であります。また、輸出プログラム等の遵守状況についての検証がリスク管理機関である厚生労働省と農林水産省で実施されるよう報告を求め、状況把握をされることが必要だと考えます。
併せて、今回の審議結果に関し、全国7ヶ所で開催された意見交換会やパブリックコメントで寄せられた多くの意見・情報等に対し、食品安全委員会としての考え方を説明する責任を果たす必要があります。このため、説明会等の開催や判りやすい形での説明資料の作成・公表など、引き続き食品安全委員会として必要な対応が取られることを要望いたします。
今後輸入再開を決定する際には、厚生労働省と農林水産省は、(1)どのような根拠・理由から施策の決定を行ったのか、(2)輸出プログラムの遵守の確認をどのように実施するのか、について説明責任を果たすと共に、国民・関係者による丁寧なリスクコミュニケーションを幅広く実施することが重要であり、改めて関係各省にも要望いたします。
<内容の問い合わせ先>
日本生協連 組合員活動部(担当:鏡・中野) 電話:03-5778-8124
<取材の問い合わせ先>
日本生協連 広報(担当:木戸・木船) 電話:03-5778-8106