2002年7月に施行された「牛海綿状脳症対策特別措置法」には、「BSEの患畜が確認された場合やその疑いが認められた場合に、国や地方自治体が講ずべき措置に関する基本的な計画を策定する」と規定され、これにもとづき「牛海綿状脳症対策基本計画」が作成されました。その後、食品安全委員会のリスク評価結果を受けて、国内BSE対策の見直し等が2005年8月に実施されました。この見直しに基づく本計画の変更案が提示され、2005年10月14日を期限としてパブリックコメントが募集されました。日本生協連は、2005年10月13日に意見を提出いたしました。
基本計画の主な変更点は以下です。
(1)と畜場でのBSE検査対象の見直し(厚生労働省関係)
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と畜場におけるBSE検査の月齢対象が見直され、2005年8月1日から変更が行われた旨を追加する。
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BSE患畜で感染性が確認された部位(特定危険部位)について、2004年10月からは「舌と頬肉を除く頭部」を追加した旨を記載。
(2)飼料規制の強化(農林水産省関係)
飼料の輸入・販売に関する届出義務の対象が拡大する旨の法規制が2005年8月30日から実施された旨を追加する。
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<日本生協連が提出した意見>
2005年10月13日
厚生労働省 医薬食品局御中
標記基本計画の変更案が示されました件で、以下の意見・要望を提出いたします。
1.「第1 対応方針に関する基本方針」に関する事項
(1)特定危険部位の範囲について
変更案では、BSE患畜で感染性が示唆されている部位として、2002年10月以降は「頭部(舌及び頬肉を除く)、せき髄及び回腸遠位部」と記述していますが、誤解を招くことを防ぐため、頭部には扁桃が含まれる旨を明記することを要望いたします。
(2)食品安全委員会答申の記述と食品安全面の措置について
本計画は、当初からBSEの蔓延防止を中心とした記述になっておりますが、食品の安全性確保の面から取られる措置に関しても記述を追加する必要があると考えます。
今回の変更案では、リスク管理措置の変更に関する食品安全委員会の答申内容として、検査月齢の変更と飼料規制の強化と実施だけが記述されていますが、ピッシングの中止やSRM除去の徹底、BSEに関する調査研究の推進等も答申で求められた旨を明記し、今後の課題として明確化を行う必要があると考えます。
2.「第6 その他対応措置に関する重要事項」に関する事項
(1)輸入検疫措置について
本事項中では「BSEの発生防止のための措置」として、「輸入検疫措置」が記載されています。実施にあたっては、「非発生国」の評価を早急に進めると共に、評価未了でリスクが不明な国に由来する牛由来食品の輸入の規制を実施するよう要望いたします。併せて、輸入検疫措置の実施にあたっては、家畜防疫上の観点だけではなく、国別のBSE発生リスクに加えてリスク管理の状態について食品安全委員会の評価を受けて実施するなど、食品衛生の観点からも輸入検疫措置に取り組み、十分な安全性を確保するよう要望します。
(2)「調査研究の推進」の追加について
本年5月の国内BSE対策の見直しに関する食品健康影響評価報告書において、食品安全委員会が「推進すべきBSEに関する調査研究」として指摘している、より感度の高い検査方法の開発は急務の課題です。BSEの検査方法の研究等を実施する旨を「第6 その他対応措置に関する重要事項」に追加し、当該の研究をより促進することを要望します。
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<問合せ先>
日本生協連安全政策推進室 電話:03-5778-8109