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日本生活協同組合連合会オフィシャルサイト

2005年08月25日

日本生協連は「レジ袋有料化」には 「法制化」が必要であると考えます ~ 全国の生協の593店(約6割)が有料化、 レジ袋を76%削減しています ~

日本生協連(本部:渋谷区、小倉修悟会長)は、この間、環境省・中央環境審議会などで、検討が進んでいる「容器包装リサイクル制度の見直し」について、これまで意見を提出してきました。

環境省から「無料のレジ袋の提供は好ましくない」との考え方が公表され、社会的に関心の高まっている「レジ袋」について、以下のような「考え方」をまとめ発表しました。

「日本生協連は、廃棄物の発生を抑制するために、レジ袋を有料化する場合には、すべての消費者が参加できること、小売業者の競争条件を同じにするために、自主協定ではなく「法制化」が必要であり、法制化にあたっては、消費者の理解を得られるように、小売業者と行政・市民との協同で推進することが必要であると考えます。」

<発表した日本生協連の考え方>

2005年8月25日
日本生活協同組合連合会


レジ袋の有料化に対する日本生協連の考え方
 

1.レジ袋の有料化を通じて、廃棄物の発生抑制へのインセンティブをはかります

レジ袋の有料化はレジ袋の削減に大きな効果があり、特にレジ入金(レジで消費者が袋代を支払う)の場合は90%の削減効果があり、廃棄物の発生抑制へのインセンティブになります。仮に日本全国でレジ入金による有料化が実施されれば、300億枚といわれるレジ袋の使用を30億枚に削減できることになります。また、使い捨ての象徴として見られているレジ袋を削減することは、レジ袋の環境負荷削減だけでなく、くらしの見直しの入り口として、消費者の意識や行動を環境保全型に変える効果が期待されます。

2.レジ袋を有料化する場合は、全ての店舗の実施が徹底できるよう法制化が必要です

レジ袋を有料化する場合には、全ての消費者が参加でき、またレジ袋配布についての小売業者の競争条件を同じにするために、有料化を徹底することが必要です。そこで、全ての店舗を対象にした法律にもとづく有料化(無料配布の禁止)が必要と考えます。自主協定等による有料化では、中途半端な取り組みになるため、消費者にも小売業者にも混乱が生じ、レジ袋削減の効果が十分に上がらないと考えます。

3.レジ袋有料化は、消費者の理解を得るために、行政や市民と小売業者が一緒に取り組むことが大切です

レジ袋有料化をスムーズに推進するためには、小売業者の努力だけに任せるのではなく、行政が積極的に啓発活動をすることや、行政や市民が小売業者と一緒になって削減行動をすすめるとともに、レジ袋有料化の詳細事項について三者で検討をすすめ、消費者の理解を幅広く得られるようにすることが大切です。

 
<問合せ先>

日本生協連 環境事業推進室 (大沢・高木) 電話:03-5778-8110

生協のレジ袋削減に関する参考資料

全国の生協は、これまで「買い物袋持参運動」を推進してきました。レジ袋の有料化も多くの生協が様々な形で取り組み、レジ袋の削減に大きな効果を上げています。

1.全国生協におけるレジ袋の想定削減枚数 (2004年度環境活動アンケートより)

2003年度実績 生協数 店舗数 想定使用枚数
(万枚)*1
実際の使用枚数
(万枚)
想定削減枚数
(万枚)*2
レジ袋削減率*3
合計 65 1,018 53,714 25,592 28,123 52.4%
スタンプ・ポイント方式*4 31 352 23,679 17,713 5,966 25.2%
募金箱方式 7 73 2,486 1,290 1,197 48.1%
有料方式 有料 計 27 593 27,549 6,589 20,960 76.1%
(内訳)  (レジ入金) 11 218 7,419 705 6,715 90.5%
(代金箱) 16 375 20,129 5,884 14,245 70.8%

*1 想定使用枚数は取り組みなしの場合の想定であり、(年間来店客数)×(来店客一人あたりのレジ袋の想定使用枚数)である。(来店客一人あたりのレジ袋の想定使用枚数)は、各生協で多少の違いはあるが、1.3枚と想定している生協が多い。
*2 想定削減枚数=想定使用枚数-実際の使用枚数
*3 レジ袋削減率=(想定削減枚数÷取り組みなしの場合の想定使用枚数)×100
*4 スタンプ方式には、ポイント積み立ても含む

2.生協のレジ袋使用削減の状況 (2004年度環境活動アンケートより)

2003年度実績 有料方式 募金箱方式 スタンプ方式
全国の店舗数 593 73 352
主な生協と
店舗数
レジで入金 コープかながわ 130
コープしずおか 29
京都生協 23
さいたまコープ 54
おおさかパルコープ 6
コープさっぽろ 71
みやぎ生協 42
共立社 12
福井県民生協 3
トヨタ生協 25
大阪北生協 21
大阪いずみ市民生協 16
エフコープ 17
コープかごしま 17
代金箱に入金 コープぐんま 14
コープとうきょう 84
めいきん生協 14
ならコープ 11
コープこうべ 156
おかやまコープ 13
コープかがわ 17

3.生協のレジ袋削減・有料化の現状

 (1)生協のレジ袋削減・有料化の経過

  • 生協では、1970年代から買い物袋の持参運動を進めてきました。1980年代からは小型店を中心にレジ袋有料化が始まり、1990年前後からはSM店舗でのスタンプ方式が広がりました。また、1995年頃からレジ袋有料化に取り組む生協が増えてきました。
  • レジ袋有料化のために、組合員への積極的な広報活動、生協加入時の買い物袋プレゼント、店舗で買い物袋の貸し出し、買い物袋やマイカゴ(バスケット)の販売、持帰り用段ボール箱の用意などを進めてきました。また組合員の理解が得られるように、レジ袋の代金(の一部)は環境保全活動やユニセフなどにも活用されています。

 (2)レジ袋削減、有料化の到達点

  • 生協のレジ袋削減率(買い物袋持参率)の全国平均は52%であり、流通業界の中では非常に高い水準です。 
  • 全国の生協店舗のうち、有料方式を採用している店舗数が約6割を占めていますが、レジ入金が最も高い削減効果があります。
方式 有料・レジ入金 有料・代金箱 募金箱 スタンプ方式
削減率 90% 60~80% 40~60% 15~30%
  • レジ袋の代金(募金)は1枚5円が大多数を占めますが、10円にして袋を厚くし、繰返し使えるようにしている生協もあります。