2005年7月27日
厚生労働省老健局長
中村 秀一 様
日本生活協同組合連合会は、利用者の生活機能の向上、くらしの安心を創造する地域福祉の向上、持続可能な介護保険制度の発展を願い、これまでも介護保険制度について要望して参りました。利用者の立場に立った「生活援助」の役割は自立支援を進める上で極めて大切であること、とくに独居の利用者にとって他者とのコミュニケーションは「とじこもり」を防ぎ、身体・生活機能の低下を防ぐ上でも重要であると要望してきました。
介護保険制度が予防重視型に改正されましたが、今後策定される政・省令が利用者の立場に立って進められるよう以下のとおり要望します。
1.介護予防サービスの選択性が保障されることを要望します。
現在の介護給付サービスの利用者が、新予防給付の対象に変更になった場合でも、新要支援1・2への「介護予防マネジメント」において、メニューの選択と決定には、本人の意志が充分尊重されることを要望します。
2.「生活援助」の重要性を位置付けることを要望します。
介護予防・介護給付のサービス提供を行う上で「生活援助」は、自立支援を促すための重要な役割を果たしています。保険者が生活援助を「適切なマネジメント」の中にしっかりと位置付けると共に最大限尊重することを要望します。
利用者の介護保険制度改正への一番の不安は生活援助が受けられなくなる可能性があることです。「生活援助」が利用者の介護度の維持・改善につながる事例は数多く存在しており、「生活援助」の重要性を位置付けることが必要です。
厚生労働委員会では、「新予防給付においても、家事援助を一律にカットすることはない。適切なケアマネジメントに基づいて提供される家事援助は認められる」と答弁されています。厚労省は「適切なマネジメント」を明確にすると共に利用者が安心できるように保険者及び関係機関に徹底するよう要望します。
3.利用者への適切な情報提供および説明の強化を要望します。
利用者からの不安の声は正確な情報が伝わっていないことによるものもあり、また事業者(ケアマネジャーおよびヘルパー等)にも正確な情報が行政から提供されていないため利用者への説明ができない状況です。
保険者の責任としてすべての被保険者にわかり易く、納得できる説明を行うよう要望します。
4.低所得者への配慮は施設(短期生活介護・療養介護含む)利用者だけでなく、通所介護・通所リハビリの利用者にも配慮することを要望します。
「食事」に要する費用について、保険給付の対象外とする見直しにより、通所介護・通所リハビリの利用者の負担も大きくなることは十分に予想されます。
施設(短期生活介護・療養介護含む)利用者には低所得者対策が提示されていますが、通所介護・通所リハビリを利用している低所得者の方にも、施設と同様の対策を要望します。
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