公正取引委員会(竹島一彦委員長)では、平成15年10月に独占禁止法研究会報告書を公表し、パブリックコメントを求めるとともに、各界・各団体(全国消団連も含む)との意見交流を行い、これらの意見を踏まえて、「独占禁止法改正(案)の概要及び考え方」を作成・公表しました。現在、この「概要と考えた方」に対して6月25日(金)を締切りとするパブリックコメントを募集しています。今後は、これらの意見を踏まえながら、今年中に法案準備に入いることになります。
	日本生協連(本部:渋谷区、小倉修悟会長)では、本日付けで以下の意見を提出しましたので、ご案内します。各生協にもパブリックコメントの提出を呼びかけておりますが、この課題に関心のある皆さまの積極的な提出をおすすめします。
	
		
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					公正取引委員会 
					委員長 竹島 一彦 殿 
					  
				
					
						独占禁止法改正(案)の概要及び独占禁止法改正(案)の考え方に関する意見 
						  
				 
				
				
					本年5月19日付の貴委員会の意見募集に基づき、消費者・市民として独占禁止法の改正を求める立場から、表記文書について下記の意見を提出いたします。 
				
					なお、今回の法改正に留まらず、公正取引委員会においては引き続き競争政策や消費者政策の充実・強化が求められています。そうした意味から、民間からの登用も含めて業務執行体制の強化を図るとともに、十分な予算措置が行われるよう要望いたします。 
				
					【意見要旨】 
				
					
						
							
								
									
										
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												(1) | 
											
												独占禁止法改正は重要な課題であり、今国会への提出が見送られたことは遺憾であるが、年内の成立を図るべきである。 | 
										 
										
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												(2) | 
											
												法案の概要・考え方については基本的に賛同するが、今回の法案検討過程において盛り込まれないこととなった独占・寡占規制の見直しに関わる部分についても、今後引き続き検討を重ねた上で法改正を目指すべきである。 | 
										 
										
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												(3) | 
											
												制度課題に関する検討の場への消費者を含む利害関係者の参加を進めるとともに、研究会・検討会等の傍聴など検討プロセスの公開性を高めるべきである。 | 
										 
									
								 
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					【意見】 
				
					
						
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								(1) | 
							
								 
									今回の独占禁止法改正に関し、当会が消費者・市民の組織として積極的に賛同する立場であることは、『独占禁止法研究会報告書に関する意見』(2003年11月19日付)において述べた通りである。競争を阻害する行為を厳正かつ迅速に取り締まることができるように、規制に関わるルールや措置体系を整備し、独占禁止法の執行力を強化することは緊急の課題であり、このことはカルテル・談合体質からの脱却という意味からも重視されなければならない。 
								
									そうした意味で、経済界の反発や一部与党議員の反対から今国会への提出が見送られたことは極めて遺憾である。秋の臨時国会に提出し、速やかに成立を図るべく準備を進められるよう強く要望する。 
									  
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								(2) | 
							
								 
									法案の概要及び考え方については、法の厳正な執行という観点から基本的に賛同するものである。特に、課徴金の抑止力強化のための対象行為拡大・算定率引上げ・加算制度導入や、違反事業者による情報提供を促進するための減免制度導入については、今回の法改正の柱とも言うべき重要な事項であり、積極的に支持する。 
								
									なお、不可欠施設に関わる独占・寡占規制の見直しについては、当初は法改正に盛り込む方向で検討されていたが、法案検討過程において除かれることとなった。しかし、特に公益事業分野においては、既存事業者が規模や保有施設の面で圧倒的な優位に立っており、既存事業者による競争制限的行為を競争政策の観点から取り締まる必要性は強い。そうした意味で、不可欠施設に関わる独占・寡占規制の見直しについても、今後引き続き検討を重ねた上で法改正を目指すべきである。 
									  
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								(3) | 
							
								一般的に、制度課題などに関して公正取引委員会内に設置される研究会・検討会は、研究者など専門家主体で構成されるケースが多い。今回の法改正に関わる問題については、独占禁止法研究会とそのもとに置かれた2つの検討部会(措置体系見直し検討部会、独占・寡占規制見直し検討部会)において検討されてきたが、これらの研究会や検討部会の構成は下記の通りである。 | 
						 
					
				 
				 
				
					
						
							
								
									
										
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												研究者 | 
											
												弁護士 | 
											
												ジャーナリスト | 
											
												事業者 | 
											
												消費者 | 
										 
										
											| 
												独占禁止法研究会 | 
											
												8 | 
											
												0 | 
											
												3 | 
											
												3 | 
											
												1 | 
										 
										
											| 
												措置体系見直し検討部会 | 
											
												17 | 
											
												1 | 
											
												0 | 
											
												3 | 
											
												0 | 
										 
										
											| 
												独占・寡占規制見直し検討部会 | 
											
												14 | 
											
												1 | 
											
												0 | 
											
												1 | 
											
												0 | 
										 
									
								 
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					しかも、委員の構成が比較的幅広い研究会では、措置体系見直しについて2回(中間報告・最終報告各1回)、独占・寡占規制見直しについて1回討議を行ったのみであり、主要な検討の場は各検討部会であった。 
				
					制度課題などに関わる検討に専門性が求められることは確かであるが、最終的に法案を作成して国会に提出するにあたっては、各方面との合意形成が不可欠となる。そうした意味から、今回の法改正の件に限らず、今後の研究会・検討会などの進め方については、傍聴を認めつつ消費者を含む利害関係者の参加を進めることにより、検討プロセスの透明性を高めるとともに、研究会・検討会の合意形成機能を高めることが必要と考える。 
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	<問合せ先> 
	日本生協連 広報(木戸・木船)
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