2004年03月29日
食品安全委員会「平成16年度運営計画(案)」 に対し意見を提出しました
日本生協連(本部:渋谷区、小倉修悟会長)では、内閣府食品安全委員会が募集した「平成16年度運営計画(案)」に対し、これまでの取組み経過を踏まえ、必要と思われる点をまとめ、日本生協連の意見として提出いたしましたのでご案内します。
<提出した意見>
2004年3月26日
内閣府食品安全委員会事務局総務課
食品安全委員会「平成16年度運営計画(案)」に対する意見
日本生活協同組合連合会
食品安全委員会「平成16年度運営計画(案)」(以下、計画(案))に対する下記の意見・要望を提出いたします。
記 「第1 平成16年度における委員会の運営の重点事項」について (意見1) 「リスク管理機関の執行状況も含め、リスク分析手法の全体を通じたあり方の検討」と「国・地方公共団体の食品の安全性に関するリスクコミュニケーション手法の確立」を重点事項として位置づけることが必要と考えます。 (理由) 計画(案)の「第2 委員会の運営全般」には、基本的事項のフォローアップを2005年1月ごろに実施する旨が記載されています。基本的事項の内容は、食品安全基本法で定められた基本的な方針を具体化したものであり、フォローアップを行うことは重要であると考えますが、中でもリスク分析手法に則った施策の実施を明記した、「第2 国民の食生活の状況等を考慮し、食品健康影響評価の結果に基づいた施策の策定(法第12条関係)」とリスクコミュニケーションの実施を明記した、「第3 情報及び意見の交換の促進(法第13条関係)」の内容が、制度運用の中でどう位置づけられているかについて、フォローアップの過程で検証されることが必要と考えます。従って、平成16年度における委員会の運営の重点事項に、「リスク管理機関の執行状況も含め、リスク分析手法の全体を通じたあり方の検討」と「国・地方公共団体の食品の安全性に関するリスクコミュニケーション手法の確立」を位置づける事が必要と考えます。 「第2 委員会の運営全般」」について (意見 2) 平成17年度の食品安全委員会運営計画の作成に関する審議は、遅くとも平成17年の1月には開始されることが必要と考えます。 (理由) 2004年の6月には、企画専門調査会が「平成15年度食品安全委員会運営状況報告書」の内容を審議する予定であり、この中で今後の運営に関する課題や方向性についても、ある程度は議論することが可能であると考えます。また、平成16年度の食品安全委員会の予算(案)は2003年12月25日の第25回食品安全委員会で報告されており、平成17年度の予算(案)についても2004年の12月末には大枠が判明できると考えます。従って、平成17年度の運営計画の策定については、遅くとも2005年の1月には専門調査会での審議が可能と考えます。計画(案)では、2005年3月ごろに審議と記載されていますが、今回と同様、国民からの意見募集の期間が短くなる可能性が考えられるため、平成17年度運営計画の審議開始時期についての修正が必要です。 「第3 食品健康影響評価の実施」について (意見 3) 「特定保健用食品の食品健康影響評価」に関する指針・基準等の策定作業についても、計画(案)に明記することと、必要に応じて指針を策定することを検討している対象分野とその見通しを明らかにすることが必要と考えます。 (理由) 2004年2月5日の第31回食品安全委員会では、特定保健用食品の食品健康影響評価に関する審議の中で、「ヒトの臨床試験データの要件」や「効能成分等の知見データ提出時の最低要件」、「安全性と効能との相関関係」等について、『指針等を作る事が必要ではないか』との意見が複数の委員から出され、同様の意見が新開発食品専門調査会でも出された旨の紹介も委員からありました。このことは、「特定保健用食品の食品健康影響評価」に関する指針・基準等の策定の必要性が高い事を示しています。そのため、計画(案)中に、「特定保健用食品の食品健康影響評価」に関する指針・基準等の策定とその実施時期を明記することが必要と考えます。また、企画専門調査会において委員から同様の意見が出されておりますが、「逐次・必要に応じて策定する食品健康影響評価の指針等」について、その対象分野と見通しについても計画(案)中に明記する事が必要と考えます。 「第4 リスクコミュニケーションの促進」について (意見 4) 専門的知見等を必要とする「食品安全モニター」とは別に、多くの国民が参加可能なモニター制度を設置・運営する等、モニター制度の複線化を実施することが必要と考えます。 (理由) 2003年12月には、食品安全委員会としてはじめて、食品の安全に関する意識調査を同じ設問事項で食品安全モニターと国政モニターで実施し、その結果の差異等について調査・検討しています。このような、専門的な要件で選抜されたモニターと、要件を不要とするモニター間での比較調査を実施することは有意義であると考えますが、国政モニターは国政全般の調査をするために組織されているため、年間を通じて食品の安全に関する調査を依頼すること等は限度があります。よって、食品安全委員会が運営するモニター制度においては、専門的な技能経験を必要としないモニター制度を別に組織し、制度の複線化を実施することが必要と考えます。 「第5 食品の安全性の確保に関する情報の収集、整理及び活用」について (意見 5) 食品安全委員会の運営の透明性を確保する見地から、食品の安全性に関する国際会議等の情報は、常に報告・公表されることが必要です。 (理由) 食品安全委員会は、運営の透明性を図るために会議・情報等については、原則的に公開する旨を既に決定しています。食品の安全性に関する国際会議等の情報は、国民全体にとって有益となる事項であり、且つ食品安全委員会の公開規定で非公開の要件とされている『個人の秘密・企業の知的財産等の侵害に抵触する』可能性も低いと思われます。しかし、計画(案)では「必要に応じ、委員会に報告」と表記され、限定的な対応に留まっています。食品の安全性に関する国際会議等の情報については、その情報を得た後に速やかにその内容等を委員会に報告・公表する旨、修正することが必要です。 |
<この件の問合せ先>
日本生協連 広報(木戸・木船)
電話:03-5778-8106