ページ内を移動するためのリンクです

日本生活協同組合連合会オフィシャルサイト

2004年01月22日

米国をはじめBSE発生国からの 牛肉等の輸入再開に関する要請書

日本生協連(本部:渋谷区、小倉修悟会長)では、BSE牛の発生以降、コープ商品の使用状況の点検、情報提供などに努めていますが、本日、米国をはじめBSE発生国からの牛肉等の輸入再開に関する要請書を坂口力・厚生労働大臣、亀井善之・農林水産大臣、寺田雅昭・食品安全委員会委員長に提出しましたのでご案内します。以下は厚生労働省大臣に提出したものです。

2004年1月22日

厚生労働大臣 坂口力 殿

日本生活協同組合連合会
専務理事 品川尚志
 

米国をはじめBSE発生国からの牛肉等の輸入再開に関する要請書
 

平素よりのご指導に対し、厚く感謝申し上げます。

さて、昨年末に米国でBSE陽性の牛が確認され、米国産の牛肉及び牛由来の原料を使用した食品は輸入が停止されていますが、輸入を再開するよう、米国政府から強い働き掛けがあり、また米国から輸入される牛肉に依存した産業構造が出来上がっており、豪州産牛肉等の輸入増などでも間に合わないため、国内関連業界からも要望が出ているように聞いております。

米国では「追加安全対策」が発表されてはいますが、それでも、日本の対策レベルと比較すると遅れている点が多々あります。BSE対策が不十分なまま輸入が再開されれば、牛肉に対してこれまで培われてきた消費者の信頼が失われかねません。

米国政府との交渉に当たって、輸入再開の条件として十分な安全対策を要請し、国民の健康を守るために御尽力いただきますよう、要望します。 

1.米国政府に十分な安全対策を要請してください

米国政府に対して、日本の消費者が安心して輸入牛肉・牛関連食品を消費できるように、日本で実施されている対策に近い十分な安全対策を要請してください。特に、米国政府は特定危険部位除去などを30ヵ月齢以上の牛について実施する計画であり、また牛の検査も30ヵ月齢以上で実施する案が出ているとも伝えられていますが、日本で21ヵ月齢のBSE牛が発見されていることを考慮すれば、30ヵ月齢以上の牛だけを対象とする対策は大変不十分なものと考えられます。これを踏まえて、以下の点について、十分な安全対策を要望します。

(1)全頭検査を実施すること

BSEは緩慢に進行し、症状が出るのは末期に相当するため、食用に供せられる牛の安全性を確保するためには、全頭検査を要望します。

(2)全月齢について特定危険部位を除去すること

米国政府が「追加安全対策」として発表している特定危険部位の除去範囲は以下の通りです。

全月齢...回腸遠位部、扁桃腺

30ヵ月齢以上...頭蓋骨、脳、三叉神経節、眼、脊柱、脊髄、背根神経節

日本で21ヵ月齢の牛に検出可能な量のプリオンが蓄積していた牛が発見されていることを考慮して、30ヵ月齢未満の牛でも、全ての特定危険部位を除去するよう、要望します。

(3)全月齢について頭蓋骨・脊柱のAMRへの使用を禁止すること

「追加安全対策」では、先進的食肉回収システム(AMR)に30ヵ月齢以上の牛の頭蓋骨・脊柱の使用を禁止することとしていますが、30ヵ月齢未満の牛も含めて全頭の頭蓋骨・脊柱の使用禁止を要望します。

(4)背割り前の脊髄除去、枝肉の洗浄等の汚染防止対策の実施

食肉の汚染対策として、空気スタンニングの禁止だけが伝えられていますが、背割りをする前に脊髄を除去すること、枝肉を清浄な水で高圧洗浄する等の汚染防止対策が必要と考えます。

2.十分な安全対策が行なわれるまでは輸入を解禁しないでください

以上のような対策が行なわれなければ、十分な安全性が確保されたとはいえません。したがって、十分な安全対策が行なわれるようになるまで、輸入を解禁しないでください。特にAMR肉、ビーフエキスなど、特定危険部位が混入する可能性のある製品の輸入は認めないでください。