日本生協連(本部:渋谷区、小倉修悟会長)は、内閣府食品安全委員会に「食品安全基本法第21条第1項に規定する基本的事項(案)」に対する意見を提出しましたので、ご案内いたします。
この案件は、食品安全基本法の基本理念にのっとり、必要な措置の実施に関する基本的事項を記載したものであり、消費者も参画した内閣府食品安全委員会・企画専門調査会で検討され、意見反映が行なわれました。
内閣府食品安全委員会は、1月5日まで、食品安全基本法第21条第1項に規定する基本的事項(案)に対するパブリックコメントを募集し、日本生協連はこれまでの検討経過を踏まえ、不充分と思われる点を意見として提出しました。
2004年1月5日
内閣府食品安全担当室(食品安全委員会事務局内)
「食品安全に関する基本的事項(案)」意見募集担当 御中
食品安全基本法第21条第1項に規定する基本的事項(案)に対する意見
(法人名)日本生活協同組合連合会
(所在地)〒150-8913
東京都渋谷区渋谷3-29-8
電話:03-5778-8124
食品安全基本法第21条第1項に規定する基本的事項(案)に対する下記の意見・要望を提出いたします。
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「第2 国民の食生活の状況等を考慮し、食品健康影響評価の結果に基づいた施策の策定」について
(意見)
「リスク管理機関の定期的な施策の見直し」に関する事項を、明記することが必要と考えます。
(理由)
リスク分析手法に基づいて決定・実施された政策や措置については、定期的にモニタリングと再評価を行い、必要があれば見直しを行う事が必要と考えます。しかし、今回の基本的事項(案)には、「施策の見直し」に関する記載が「緊急時のリスク評価を行ういとまがない場合」しかありません。緊急時だけではなく、通常運用時における「リスク管理機関の定期的な施策の見直し」についても基本的事項(案)に明記することが必要です。
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「第3 情報及び意見の交換の促進」について
(意見)
リスク管理機関が実施している審議会の委員構成のあり方として、「ステークホルダー(幅広い関係者)の参画」を明記することが必要と考えます。
(理由)
基本的事項(案)の「基本的考え方」では、施策の策定に国民の意見を反映し、並びにその過程の公正性・透明性を確保するため、関係者相互間の情報及び意見の交換の促進を図るために必要な措置を講じる旨の記載がありますが、後述の「リスクコミュニケーションの方法」の中には、施策策定手段の一つとしてリスク管理機関が運営している審議会のあり方についての記述がありません。「基本的考え方」の主旨を踏まえ、審議会の委員構成のあり方として、「消費者、生産者、流通業者、加工業者等の幅広い関係者の参画」について明記することが必要と考えます。
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「第8 表示制度の適切な運用の確保等」について
(意見)
基本的な考え方の中に、食品表示制度の目的及び関係省庁がこの目的に沿って運用する旨を明記することが必要と考えます。
(理由)
2002年8月に公表された「食品の表示制度に関する懇談会 中間取りまとめ」では、食品の表示制度は(1)消費者の商品選択に役立つこと、(2)衛生上の事故・危害の防止(食品の安全の確保)に役立つこと、(3)正確で誤認を生じさせないこと、の3点を目的とすると考えられ、消費者にとって分かりやすいものであることが大前提であると記載されています。
今回の基本的事項(案)は、政府全体にわたる措置に関する事項が定められるものです。よって「基本的な考え方」の中に、上記懇談会で取りまとめられた食品表示制度の目的事項を明記することが必要と考えます。
また食品表示制度は、複数省庁に関係しているため、関係する省庁がこの目的事項に則って制度運用を実施する旨を明記することが必要と考えます。
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