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日本生活協同組合連合会オフィシャルサイト

2003年11月05日

日本生協連は、環境省「温暖化対策税案」 への意見を提出しました

 日本生協連(本部:渋谷区、小倉修悟会長)は、2003年5月に「炭素税への見解」をまとめ、各地の生協に炭素税学習会を呼びかけました。また今回の「温暖化対策税制(報告)」についても、温暖化対策と税制についての認識を深める目的で、環境省の協力をえて、10月30日に関西地区(大阪会場)、11月6日に東北・北海道地区(仙台会場)で学習会を開催し、今後も11月11日に関東・甲信越地区(東京会場)、11月20日に九州地区(福岡会場)で、学習会の開催を予定しています。

 日本生協では下記の意見を提出いたしましたのでご案内します。

 それぞれの生協、NGO・NPOの皆様も「温暖化対策税制(案)」について意見表明をしましょう。締切りは平成15年11月28日(金)必着です。

 環境省では、「温暖化対策税制案:(PDF)」をホームページ(HPと略す)で公表しているほか、郵送対応もしています。

☆ 意見募集と資料入手については環境省HPをご覧ください。
 

<日本生協連の提出意見>

2003年11月5日

環境省総合環境政策局
環境経済課 御中

日本生活協同組合連合会
 

中央環境審議会総合政策・地球環境部会合同部会温暖化対策税制専門委員会報告
「温暖化対策税制の具体的な制度の案
~国民による検討・議論のための提案~(報告)」
についての意見と要望
 

 地球温暖化問題の進行に対し、温室効果ガス排出量の削減対策の速やかな実施が必要であると考えます。そのためには、法的規制、自主的取組みの促進、経済的手法など、あらゆる政策を有効に組み合わせて、強力に対策を推進することが必要です。また、温室効果ガス排出量が最も大きい産業界はもちろんのこと、排出量が増加し続けている民生部門や運輸部門の実態も踏まえ、すべての国民が関係する温室効果ガス削減の有効な政策ミックスの一環として、温暖化対策税の導入が必要であると考えます。
 

  1. わが国の温暖化防止の取組みのあり方について
     
    地球温暖化の防止が世界全体で取り組むべき極めて重要な課題であり、国内でも全ての人や企業等が創意工夫を凝らして、社会全体で対策を担うことが必要との見解に賛同します。そのために経済的なインセンティブを活用することに異論はありません。
     
  2. 温暖化防止のための施策として、温暖化対策税を活用することについて
     
    温室効果ガス削減のための経済的なインセンティブとして、温暖化対策税を活用することの意義は大きいものと考えます。したがって、温暖化対策税を活用することには賛同します。
     
  3. 温暖化対策税の性格と課税要件について
     
    温暖化対策税を化石燃料の炭素含有量を基本に、その消費量に課税する案は妥当であると考えます。また、最上流又は上流課税を基本とすることに異論はありません。課税段階の議論に加えて今後、化石燃料価格に適正に税額が反映される仕組みの検討を求めます。
     
    税の性格として、第1に税による削減効果を期待し、第2に税収を温暖化防止の施策に活用するという考え方は適切であると考えます。また、相対的に低い税率を採用することは、温暖化対策税を導入するうえでも、国民の経済的負担を過重なものとしないためにも重要であると考えます。
     
  4. 温暖化対策税の負担軽減の考え方について
     
    温暖化対策税の負担軽減は、二酸化炭素排出量の削減に対応したものであることが必要です。予め特定の産業を念頭に、負担軽減の議論が行われるとしたら本末転倒であると言わざるを得ません。
     
    他方、温暖化対策税は幅広い国民にもその影響が及ぶものです。したがって、低所得者への影響について十分に研究を行うこと、所得との関係で税負担率に逆進性が生じる場合の緩和策を具体化すること、また、南北に長いわが国の地域間で化石燃料課税による不公平が生じないかについても、調査と必要な対策の具体化を進めることが必要であると考えます。
     
  5. 温暖化対策税の税収の使途について
     
    温暖化対策税の導入にあたり、国民の理解を得るためには、その使途を温暖化対策に絞り、国内の二酸化炭素排出量が確実に削減される効果的な活用方法を検討すべきです。税収の活用方法を検討する場合には、ダイナミックな社会の変化につながる税収活用のイメージを鮮明に示し、議論の促進を図ることが必要です。
     
  6. 温暖化対策税と既存エネルギー関係諸税との関係について
     
    既存エネルギー関係諸税については、温暖化防止や環境保全の観点から大胆な改革が必要であり、税財政のグリーン化をすすめるべきです。
     
    既存税の問題を置き去りにして、温暖化対策税を論じるだけでは国民の納得を得ることは出来ないと考えます。
     
  7. 温暖化対策税の代替案の検討について
     
    課税の仕組みについては、消費税に対する国民の強い不信感が生まれる原因の一つである益税が生じないことが重要です。その意味で、最上流又は上流課税が適切であると考えます。
     
    税率の水準については、国民の負担との関係で考えることが必要です。従って、相対的に低い税率が望ましいと考えます。価格インセンティブ効果のみを重視するあり方は、多数の国民にとって受け入れにくいものであると考えます。
     
  8. 今後の温暖化対策税制の検討に関する要望について
     
    これまで、温暖化対策税制専門委員会の検討については、基本的に情報を公開してこられたこと、また国民からの意見募集期間を十分に確保されたことにつきましては評価します。今後とも、検討過程の透明性と市民参加を高める努力を期待します。
     
    温暖化対策税はあくまでも、二酸化炭素の排出量削減を目的とした税であり、二酸化炭素の排出削減の進展にともない税額が逓減する税であると考えます。したがって、そうした基本的な考え方やイメージについても国民に示し、より活発な議論の展開を図ることを求めます。


◇本件に関するお問合せ先

 日本生活協同組合連合会 渉外広報本部広報(藤原・木戸)
 TEL:03-5778-8106