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日本生活協同組合連合会オフィシャルサイト

2003年08月25日

日生協「牛せき柱食品等の管理方法試案」に意見を提出

厚生労働省では、4月より対策部会で検討されていた「脊柱を含む食品等の取扱い」に関して、10月14日締め切りで、意見を募集しています。
日本生協連(本部:渋谷区、小倉修悟会長)は、8月22日「早急な対策を要望する」という主旨で、以下の意見を提出しましたのでご案内します。

全国の生協へも、積極的に意見提出を呼びかけています。

2003年8月22日

厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課 御中

日本生活協同組合連合会

「牛せき柱を含む食品等の管理方法の試案」に対する意見

1.「試案1」による規制を早急に実施してください

試案が2つ示されていますが、伝達性海綿状脳症対策部会の場で、と畜場における背根神経節の除去試験の結果(除去率は2割程度)が報告されているところです。海外においても、背根神経節のみを除去して脊柱を流通させている例はありません。したがって、基本的に「試案1」によって脊柱の食用を規制することが適切と考えます。

パブリックコメントの募集終了、脊柱の使用実態調査の終了を待たず、脊柱のリスクについて食品関係者に広く周知し、食品への使用自粛を要請してください。

2.脊柱の処理対策を早急に検討してください

脊柱が特定危険部位に準じて確実に処分されるように、関係省庁と連係を取って、早急に処理方法を検討してください。具体的には、枝肉を解体する事業者に、脊柱を焼却等の方法による処分(処分の委託又は自治体への引き渡しを含む)を行なうよう義務付け、これを毎月所轄の保健所に届けるようにさせてください。

3.BSE発生のおそれのある国からの危険部位輸入を規制してください

今年に入って新たにカナダにおいてBSEの発生が確認されていますが、BSEは潜伏期が長いために、発生確認前に当該国産牛の危険部位が輸入され、食用に供せられていることもあるのが実態です。加えて、非発生国とされている国の多くでは、必ずしも十分なサーベイランスが行われているとは言い難いと伝えられており、発生が確認される前の患畜の存在も可能性として否定できません。

今後新たにBSEの発生が確認される国が出れば、また同様のことが繰返され、いつまでも消費者は安心できません。したがって、EU科学委員会の評価によるレベルⅠ以外の国からは、特定危険部位、脊柱及びこれらを原料とする食品の輸入を規制してください。

4.ビーフエキス、食用油脂への脊柱使用を禁止してください

「試案1」の(2)が曖昧な書き方となっており、条件によっては、食用油脂の原料として脊柱を用いてよいように読めます。「ただし」以下を削除してください。

5.国際的動向などへの遅れ、迅速さを欠く対応は遺憾です

OIE(国際獣疫事務局)で脊柱を危険部位として取扱うことは昨年5月の会合で決定されており、相前後して欧州各国では脊柱の流通規制が行なわれているのに対して、日本では、規制の検討が開始されたのが今年4月になってからと、約1年の遅れを取っています。国際機関や外国の情報を活かすことについては、すでに「BSE問題に関する調査検討委員会」で議論され、貴省においても教訓とされているはずですが、このような対応の遅れは大変遺憾です。対応が遅れた原因について、国民・消費者に説明を行なってください。

4月に検討が始まった当初から、委員の中で脊柱のリスクについての認識が持たれ、早急な規制が必要という意見も出ており、すでにリスクアセスメントは実質的に終了しているにもかかわらず、不使用の指導などもなされていない様子で、消費者は必要以上に脊柱の感染リスクに曝されていると言えます。消費者の安全に関わる検討は可及的速やかに行なわれ、直ちに実施に移すべきであり、この間の迅速さを欠く対応は大変遺憾です。早急に対応してください。