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日本生活協同組合連合会オフィシャルサイト

2003年02月26日

「特定農薬の指定(案)」に関する意見を提出しました

日本生協連(本部:渋谷区、竹本成徳会長)は、2月25日が〆切りで農水省から意見が募集されていた「特定農薬の指定(案)」と「農薬取締法第12条第1項に係る省令(案)の概要」に関する意見を提出いたしましたのでご案内します。

2003年2月25日

農林水産省 生産局 生産資材課
農薬対策室 御中
 

「特定農薬の指定(案)」に関する意見
 

団体名:日本生活協同組合連合会
 

意   見
 

この度、農薬取締法の改正に伴って「特定農薬の指定(案)」が公表されましたが、これらは一連の食品安全行政改革の考え方に沿って検討されてきたものと考えます。是非、今日的な食品の安全性の確保や国民の健康保護をはじめとする、消費者の利益が保護されるための施策の推進を積極的に進めていただくことを期待します。なお省令改正の作業が実施されるにあたり、以下の事項について意見を述べさせていただきます。
 


 

農業生産現場で使用される資材(農薬、土壌改良剤、活性剤など)については、資材の目的とする効果の評価がなされ、併せて、毒性および環境影響の両面から評価された上で使用されるべきと考えます。この立場から次の3点を述べさせていただきます。

[1]今回の特定農薬の指定にあたっては、「特定農薬制度の今後の運用について」でまとめられていますが、環境影響の評価を併せて行うことを追記すべきと考えます。

[2]特定農薬とすることが保留されたもので、薬効が謳われて販売されていないもの、かつ使用者が農薬的に使えると信じて使う場合は、取締りの対象外とするとされていますが、この部分については早急に評価する体制を確立し、優先順位をつけた評価計画を作成し、時限を定めて評価を終了させることが必要と考えます。評価計画とその進展状況、評価結果については随時公表しながら、評価を進めてください。

[3]農薬販売業者等による農業資材の適正な流通を改めて確立することが必要です。併せて、特定農薬とすることが保留された資材等の市販品のモニタリング調査を計画的に実施するなど、行政による実効性のある点検を組み込んでください。


2003年2月25日
 

農林水産省 生産局 生産資材課
農薬対策室 御中
 

「農薬取締法第12条第1項に係る省令(案)の概要」に関する意見
 

団体名:日本生活協同組合連合会

意   見
 

この度、農薬取締法の改正に伴って「農薬取締法第12条第1項に係る省令(案)の概要」が公表されましたが、これらは一連の食品安全行政改革の考え方に沿って検討されてきたものと考えます。是非、今日的な食品の安全性の確保や国民の健康保護をはじめとする、消費者の利益が保護されるための施策の推進を積極的に進めていただくことを期待します。なお省令改正の作業が実施されるにあたり、以下の事項について意見を述べさせていただきます。
 


 

[1]農薬使用基準が適用されないケースとして、検疫有害動植物に対し使用する場合があげられていますが、食品衛生法で定める残留基準を超えることがないよう担保措置をとること

例外的な適用と考えられますが、食品の安全性の確保の観点から食品衛生法の残留基準を遵守することが同時に実現されることが必要と考えます。

[2]農薬の安全かつ適正な使用を確保するため、農薬散布業者が遵守すべき基準を整備すること

農薬散布業者(農薬くん蒸業者、航空機を利用して農薬を散布する業者、ゴルフ場における農薬散布業者など)は、一般農家と比較して大量の農薬散布を日常的に行うことから、特別の遵守すべき基準を定めることが必要と考えます。例えば航空防除については、散布に先だって地域住民に散布することを周知徹底させることや、散布場所を縄囲いして特定することなどが要件として考えられます。併せて散布作業の際に配慮すべき安全確保の内容を把握した上で従事することが必要と考えられる事から、一定の資格要件を設定することも検討すべきであると考えます。

[3]農薬の使用状況の記録については、義務づけとすること

農薬の使用状況の記録については「帳簿に記載することに努める」とされていますが、その適正使用やトレーサビリティ確保の観点から、「使用状況の記録の義務づけ」が必要と考えます。

加えて、生産者に対する指導・教育を実施し、全体的な安全使用の意識向上をはかっていくことが必要と考えます。

[4]農薬の使用基準違反に罰則適用を猶予する経過措置をマイナー作物等に定めること関しては、安全を担保する措置を十分確保すること

経過措置として使用が認められた農薬に関しては、都道府県知事は農薬残留度合い等を検査する計画書を作成し、それにしたがって確実に検査を実施させ、その結果も公表しながら、安全が確保されているか十分な評価を実施すること。