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日本生活協同組合連合会オフィシャルサイト

2002年09月17日

日生協、食品表示に関する意見を提出

厚労省・農水省の共管による食品の表示制度に関する懇談会の「中間取りまとめ」が、先ごろ公表され、これについてのパブリックコメントが募集されています。日本生協連は意見を提出するとともに、全国の会員生協に意見の提出を呼びかけています。

なおパブリックコメントの締め切りは、9月19日です。

厚生労働省ホームページはこちら

2002年9月13日

厚生労働省医薬局食品保健部企画課
調査表示係 御中

日本生活協同組合連合会
専務理事 品川 尚志
 

食品の表示制度に関する懇談会 「中間取りまとめ」に関する意見

この間の牛肉偽装事件を発端とする、各種食品の偽装表示事件の続発は、消費者の食品表示に対する信頼を大きく傷つけました。これらの一連の事態は、食品事業者のモラルの問題だけではなく、食品表示の制度上の不備にも大きく起因していることが明らかになってきています。食品表示の大きな不信を払拭するためには、食品表示制度の抜本的な改革が求められていると考えます。このような状況を受けて標記懇談会が設置されましたが、ここで表示制度に係わる省庁が一堂に会し、消費者も参加して横断的に論議が行われたことは大変意義のあることだったといえます。また、「中間取りまとめ」において、表示のそもそもの目的を明らかにしたこと、期限表示の呼称の統一や相談窓口の一本化などを早急に行うことを提言したことも前進です。しかし、表示に関する統一した法律の制定や行政組織の見直しについては中長期的な課題とされ、消費者の求める抜本的改革からはほど遠い内容になっていると考えます。以下具体的意見を記しますので、宜しくお願い申し上げます。

1.食品表示に関する基本原則を、食品安全基本法(仮称)で規定することを求めます。

「中間取りまとめ」では、現在検討が進められている食品安全基本法(仮称)での食品表示制度に関して、「基本法の中で食品の表示制度が適切に運用されることが重要である旨を規定する」との表現に留まっています。「中間取りまとめ」では、表示の目的について、【1】消費者の商品選択に役立つ、【2】衛生上の危害防止に役立つ、【3】正確で誤認を生じないとの3点を挙げ、「これら3つの目的は表示を利用する消費者がその主体となる」とまとめています。従って、新たに制定される食品安全基本法において、この「中間取りまとめ」の記述を踏まえ、表示の目的等の食品表示制度の基本原則を定めることを求めます。

2.表示を規定する法律と管轄する行政組織を一本化する方向で、今後の検討を行うことを求めます。

「中間取りまとめ」では、現行の食品制度における問題点として「それぞれの表示制度に基づく表示項目や表示内容がそれぞれの府省ごとに決定されるしくみであるため、整合性が取れておらず、用語や定義の統一性が欠けているものがある。また、解釈等に関する情報提供などの運用面でも統一性に欠ける」と指摘しています。

これは、言い換えれば、各種表示制度がバラバラに存在することの問題点を指摘していることにつながります。この間、食品表示制度で関係各省庁が連携できないのは、それぞれの法制度の目的が限定されており、権限が部分的項目にしか及ばず、運用や監視が縦割りになっているという根本的な問題があると考えます。また、今回の「中間取りまとめ」を受けて、食品表示に関する用語や定義の統一性が一旦はかられたとしても、将来的には表示項目や表示内容の新たな不整合が生じる可能性も否定できません。

よって、食品安全基本法(仮称)で食品表示の基本原則を規定することとあわせ、具体的な表示事項のあり方等を定める統一した表示法を制定し、一つの行政省庁で管轄することが必要です。なお、現在複数の法制度で実施されている、既存の食品表示に関する検討会(JAS調査会や薬事・食品衛生審議会の表示分科会など)についても、統一した表示法の下で、消費者も参加した一元的な会議体を設置することが必要です。

3.相談窓口、監視体制の運用については、一元的な運用を行うべきです。

「中間取りまとめ」では、食品表示の相談窓口について、一元化を進めるべく検討することが必要と指摘しています。中央・地方の段階で、相談・問合せの窓口が、早期に本来の意味での「ワン・ストップ・サービス」となるように、実現に向けた検討を直ちに行うことが必要です。

現状の監視体制の実態は、食品衛生法に関する項目については食品衛生監視員、JAS法に関する項目は地方農政局や農林水産技術センターの職員等と、法律ごとにバラバラの運用になっています。食品表示は消費者にとっては一つのものです。消費者の視点から表示項目のチェックを行うには、一括しての点検が必要です。

地方自治体等における監視業務の具体的な面では、日常的なモニタリング検査での連携が特に重要と考えます。それには、【1】検査前の連携・調整(店舗等の営業者に重複して出向かない、同一の食品を検体として調達しない等、どこでどのような対象物を調達・収去するか調整する)、【2】検査中の連携(検査中に問題点が認められた場合には、専門的な機関に精密検査を依頼する、等)、【3】検査後の連携(検査結果等の情報の関係部局での共有化、等)をはじめ、各種の法制度に基づいて行政官がバラバラに対応しないための、一元的な運用が必要です。これらの一元的な運用を速やかに検討・実施することで、検査・監視の効率化と充実化を図るべきだと考えます。

なお、地方自治体における表示ウォッチャー制度においては、食品衛生法、JAS法、公正競争規約等の各種食品表示制度全体についての横断的なウォッチャー制度に拡大・確立すべきだと考えます。

4.用語・定義の統一を、早急に実施する事が必要です。

「中間取りまとめ」で示された、表示に関する用語や定義の統一等を図って行くことが必要です。その中でも期限表示については、基本用語を統一することが早急の課題です。なお、その際には消費者の理解促進等を前提とし、切り換え実施までに一定の猶予期間を置くべきだと考えます。期限表示以外の用語や定義の統一のあり方についても、別途検討を行う場を設け、順次具体的に統一を行う必要があると考えます。その場合、「中間取りまとめ」にある「表示を利用する消費者がその主体となる」との考え方に沿って、消費者にとって分かりやすい表現であるかという視点から行うことを求めます。

5.今後のあり方の検討については別途、検討の場を設置することを求めます。

以上から、今回の「中間取りまとめ」に関わらず、法律・組織のあり方について速やかに検討し、食品表示制度の抜本的改革を図るために、消費者も参加した一元的な検討の場を内閣府に改めて設置することを求めます。

以上