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日本生活協同組合連合会オフィシャルサイト

2002年03月25日

「BSE(狂牛病)等食品の安全確保に関するお願い」 を小泉内閣総理大臣宛てに02年3月25日に提出

日本生協連では、武部農水大臣・坂口厚生労働大臣にお会いして要請を いたしました。

さらに3月25日に要請文書を総理大臣に提出しました。

2002年3月25日

内閣総理大臣
小泉 純一郎 殿

日本生活協同組合連合会
会長 竹本成徳
 

BSE(狂牛病)等食品の安全性確保に関するお願い
 

長引く深刻な不況の打開、構造改革など、困難を極めるなかでの国事遂行に敬意を表します。

国内でのBSE(狂牛病)の発生以降、様々の行政措置がとられてきましたが、今日でも消費者の食品安全への不安や行政不信は収まらず、生産者や関係事業者も深刻な打撃を受けています。

今回のBSE問題では、今日的な食品の安全性を確保するには、生産振興の立場とは別個に、「国民の健康」や「食品の安全性」の確保を最優先した、総合的な社会システムを確立する必要があることが改めて明らかになりました。また、雪印食品等の不正をきっかけに表示制度への信頼が極度に低下しており、公正で信頼できる制度への抜本改革も必要になっています。

このところ、自ら事業運営に携わっている私ども生協の取扱い商品にも虚偽表示の事例を発生させており、社会に対して深くお詫びを申しあげるとともに事業者としての責任を改めて肝に銘ずる次第です。食品の表示をはじめ消費者に対する様々の情報提供への信頼性の確保および産直商品も含めた商品の品質管理・取引先管理等について改めて強化し、虚偽表示等が判明した場合には包み隠すことなく社会並びに生協の組合員に対して説明責任を果たすよう襟を正して進める所存です。

現在のBSE問題についていえば、新たなBSEの発見を危惧するあまり廃用牛の出荷・と畜がとどこおっており、そのことが消費者の不安・不信を長期化させている要因の一つになっていると考えます。感染の実態を隠すことなく明らかにし、原因究明を急ぐことが必要です。また、消費者が冷静な対応をできるよう、情報を開示し、説明責任を果たすことが不安の解消には不可欠です。これらを含む当面のBSE対策については、農林水産大臣、厚生労働大臣宛に別途に要請書を提出させて頂いております。

総理大臣にあっては、こうした事態を克服するために、食品安全行政に関わる統一した行政組織を検討するよう指示されていると伺っています。こうした検討が、消費者の立場に立った食品安全行政の強化に資するものとなるよう、大いに期待し積極的に推進して頂くようお願い申し上げる次第です。また、食品の安全性の確保のための基本法制定の論議も浮上していますが、基本法の制定もあわせて積極的に検討いただくことをお願いするものです。そうした立場に立って、新しい行政組織や基本法の制定の際には、以下の内容を是非実現していただくことをお願い致します。

あわせて、新行政組織や基本法の制定と同時に、食品衛生法についても大幅な改正が必要です。基本法や新行政組織が設置されたとしても、食品衛生法の抜本改正がなければ食品の安全行政の実態は変わらないからです。

この数年来、私どもは食品衛生法の改正と運用強化を求め、今日的な食品安全のための社会システムを確立するよう運動を進めて参りました。署名運動には1400万人近い人々から賛同をいただき、国会請願に当たっては衆参両院で542人の国会議員の皆様のご紹介もいただきました。この要請は、こうした運動の主旨を受けて、させて頂いていることを付記いたします。
 

1.目的に「国民の健康」や「食品の安全性」を最優先に位置づけるとともに、生産振興に携わる行政組織から独立・分離させること

基本法や新しい行政組織には、その目的に「国民の健康」や「食品の安全性」の確保、「消費者の参加」を最優先に位置づけることが必要です。また、新行政組織は、生産振興に携わる行政組織から独立・分離することとあわせ、関係行政機関に対する調査権や勧告権等を持つようにすることを求めます。新行政組織を定める法律の目的には、私たちが求める「国民の健康」や「食品の安全性」の確保を明示するとともに、その目的を達成するための行政の責務を明文化することが必要です。

食品衛生法についても、基本法制定や新行政組織の設置と一体のものとして抜本改正が必要です。

2.リスクアナリシス(リスク分析)を法に明示し、特に消費者参加のリスクコミュニケーションを確立すること

新組織や既存組織が所轄することとなる食品安全に関わる各法において、コーデックス委員会が既に各国に採用を勧告しているリスクアナリシス(リスク分析)に基づく制度を取り入れることが必要です。特に消費者参加のリスクコミュニケーションを法定し、組み込むことが必要です。

3.食品の表示制度について消費者の権利の観点から、総合的・一元的に見直すこと

食品の表示は、消費者にとって安全性の確保、健康の維持、品質の確認、選択の保障という、消費者の権利に関わる重要な意味をもっています。現在の各種表示制度を消費者の立場を最優先して一元的に整備すること、パッケージへの表示にとどまらず消費者への情報提供のあり方についても総合的な整備を行うこと、表示や情報提供への信頼性の確保のための措置を厳格にしていくことが必要です。JAS法等では点検・罰則を強化するなど表示の正しさが担保される実効ある制度とすることが必要です。同時に、行政規制のみでなく事業者の倫理性を厳しくチェックする仕組みの整備が必要です。

4.食品全般のトレーサビリティシステムを整備すること

「農場から食卓まで」の視点で、トレーサビリティの考え方に基づくシステムを、牛や畜産だけでなく他の農水産物についても、農薬・動物用医薬品・飼料の使用、食品への残留基準の観点を基本に整備していくことが必要です。

5.新しい行政組織などの検討に、消費者の参加を保障すること

新しい行政組織等の検討は、消費者の参加が保障された第三者機関を設置し、透明な議論のなかで行われるべきです。
 

以上