2001年09月12日
国内での狂牛病発生についての見解
2001年9月12日
日本生活協同組合連合会
日本生活協同組合連合会
国内での狂牛病発生についての見解
9月10日千葉県で、国内で初めて狂牛病の疑われる乳牛が発見され、免疫組織化学的検査によって狂牛病プリオンへの感染が推定されたと伝えられています。狂牛病の患畜の危険部位(プリオンの含まれる部位)の摂取によってはヒトにも感染すると言われており、消費者にとって重大な問題です。私たちはこれまで農水省・厚生労働省の双方に対策の強化を求めてきましたが、改めて徹底した迅速な安全対策と消費者に対する正確な情報提供・情報公開を求めます。
また消費者に冷静な対応を呼びかけます。
日本生協連では今年2月から3月にかけて別紙のような要請を農水省・厚労省に行ないました。しかし両省は“日本には狂牛病は入っていない”との前提に立って不十分な対応にとどまってきました。対策が十分でないことはEUからも指摘されており、こうした姿勢を早急に改めることが必要です。
私たちは改めて、当面の措置として以下のような点を要請します。
- 屠畜時の狂牛病検査は、狂牛病の発症前でも罹患が確実に検出できる方法で、全数を対象として実施すること。
- 狂牛病や羊に発生するスクレイピーなどが根絶されるまで、肉骨粉の哺乳動物への給餌を一切禁止すること。
- 今後狂牛病の疑いのある牛が発見された場合は、直ちに隔離や必要な調査を実施し、拡大させない措置を行うこと。
- 原因として想定される飼料のルートについての原因究明を早急に行なうとともに、消費者に対する正確な情報提供・情報公開を行なうこと。
- 飼料の履歴等が明確になるような飼料の管理制度を確立すること。
狂牛病の罹患が確実にわかる検査が屠畜時に行なわれれば、食肉の安全は確保されます。もちろん牛乳は狂牛病の心配はありません。
なお生協では、確実な狂牛病検査を政府に求め、消費者が安心して利用できるようにするともに、消費者に対する正確な情報提供を行っていきます。
以 上
※ なお、この件についてのお問い合わせは、安全政策推進室の渡辺、原までお願いします。
電話 03-5778-8109
(別紙)
狂牛病に関する要請
○厚生労働省宛ての要請(2001年2月27日に提出)
- 屠畜時の狂牛病検査の方法について各都道府県の状況をただちに取りまとめ、公表してください。
- 屠畜時の狂牛病検査は、狂牛病の発症前でも罹患が確実に検出できる方法(ELISA法など)で実施してください。
- 牛以外の動物についても、過去輸入された動物性飼料が与えられた可能性のある家畜については、屠畜時に狂牛病の検査を実施してください。
- 流通している食品・食品原材料について、異常型プリオンの含有を調査してください。
- 海綿状脳症に関する研究成果を調査し、早急にまとめてください。狂牛病と食品の関連などについての消費者の啓発に取組んでください。
○農水省宛ての要請(2001年3月2日に提出)
- 狂牛病やスクレイピーなどが根絶されるまで、動物性飼料の哺乳動物への給餌を一切禁止してください。
- 過去輸入された動物性飼料が与えられた牛以外の動物を含む家畜について、狂牛病罹患のサンプリング調査をしてください。
- 国内の家畜に関して、モニタリング検査を行なって安全性を確認してください。
- 徹底した管理によって、大洋州のようにスクレイピーの根絶を図ってください。