被災地の生協から全国の皆さんへ 〜 コープふくしま専務理事 野中俊吉さん
2013年5月29日
「つながろうCO・OPアクション情報」第30号 より
インタビュー
コープふくしま専務理事 野中俊吉さん
聞き手・コープおおいた理事 松尾孝子さん
「被災地の現状」「復興に必要とされていること」について、コープふくしまの野中俊吉専務理事に伺いました。インタビュアーは、福島県への応援活動を行う全国の生協の仲間を代表して、コープおおいた組合員理事の松尾孝子さんにお願いしました。
―― 現在、このように生協の理事として支援に関われることはありがたいことだと思っています。定期的にコープおおいたの代表が福島を訪れていますが、がれき処理や住宅の問題など発災直後とあまり変わっていない印象があり、まだまだ復興には時間がかかりそうで心配です。3年目を迎えた現在はどのような状況なのでしょうか?
やはり福島県は東京電力福島第一原子力発電所事故の問題が大きいですね。立ち入り禁止区域には入りたくても入れないので、2年たっても「手を付けられない」というのが現状です。
自分の家は残っていて、見た目は何も変わっていないのに、入ることができないのです。掃除も何もできませんから、どんどん傷んでいきます。さらに津波の犠牲になったご家族を捜すこともできません。これも本当につらいことです。
―― コープふくしまさんは除染活動や放射線量測定などさまざまな取り組みをされていますね。
はい。2011年度から食事に含まれる放射性物質の量の測定と、2012年秋からはホールボディーカウンターを使用して、人の体に含まれる放射性物質の量を測定しており、その結果を併せて公表しています。3月7日付の『福島民報』の論説でも「理性的に判断する材料として県民に役立つ」と大きく取り上げていただきました。
地方紙ですから読んでいらっしゃる県民の方も多く、組合員さん以外の方にも「生協が地域の中で頑張っているんだね」と評価をいただけたと思います。
―― それは組合員さんにとって頼もしいですね。普段の生活が安全だと分かれば安心します。福島県の県産品の普及拡大にも力を入れていらっしゃいますね。
はい。生協として福島県産品を応援していることで、行政や地域社会からも信頼されています。コープおおいたさんでも多くの福島の物を扱っていただいているので、本当に感謝しています。ぜひ今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
―― コープおおいたでは、福島の子どもたちがクリスマスツリーを作るための松ぼっくりを拾えないと聞いて、松ぼっくりをこの2年間お送りしていますが、早く「もう要らないよ」という言葉が聞けるといいなと思います。これからもコープふくしまさんとさまざまな交流を続け、おおいたの組合員さんたちへの震災関連の情報提供も続けてまいります。福島県産品の販売や放射能の学習も重視していきたいですね。
こうしていろいろな広がりの輪ができることは、楽しみでもあります。
ありがとうございます。お茶会に使うお菓子を送ってくださることも、お茶会の参加者、スタッフを元気づけています。今後も、このような日常的なつながりをもっていただけるとありがたいです。どうぞよろしくお願い申し上げます。
取材日:2013年3月25日