被災地の生協から全国の皆さんへ 〜 いわて生協専務理事 菊地 靖さん

2013年3月29日

「つながろうCO・OPアクション情報」第28号 より

インタビュー
いわて生協専務理事 菊地 靖さん
聞き手・おおさかパルコープ 原田 待子さん

インタビューの様子.jpg

岩手県への応援活動を行なう全国の生協の仲間を代表して、おおさかパルコープ組合員理事の原田さんに、「被災地の現状」「復興に必要とされていること」をいわて生協の菊地専務理事に聞いていただきました。

―― 今までに2回、沿岸部の被災地を訪問しましたが、一昨年と昨年とでは、ほとんど様子が変わっていないなというのが率直な印象です。

はい。復興とは程遠い状態です。地震による建物の倒壊だけなら建て替えれば何とかなる場合もありますが、津波で住居や工場が失われた所は再建が困難なのです。これまでの災害とは全く違うなと痛感しております。

―― 組合員さんたちとよく話すのは、「大きなことはできないけど、ずっとずっと支援したい。現地に行けなくても、できることはないやろか」ということです。少しずつでも継続して募金をする組合員さんもたくさんいます。
 
募金や行政のサービスが少なくなってきているので、ありがたいですね。 
被災地では「このまま忘れられてしまうのだろうか」という不安のほうが強くなっており、これからはますます心の支援が大事になると思います。
 
つらい人に寄り添い、交流の場をつくるための「ふれあいサロン」(お茶会)は、お茶とお菓子を全国の生協から送っていただき、好評です。
 
被災地で「生協祭り」などの催しを行なった際、おおさかパルコープさんが、たこ焼きを焼いてくださったときは行列ができましたね。

―― 見ていた方たちも「やってみたい」となって、盛り上がりました。70歳近い人たちも参加していますが、むしろ私よりもお元気で(笑)。お年寄りの知恵を発揮できる場所も必要ですね。
 
そうですね。閉じこもりがちなお年寄りや独り暮らしの男性などが家の外に出て行くきっかけづくりができたらと思っています。特に男性は、特技や仕事の技を生かしてサロンに参加してもらえないかと思っているのですが、まだまだ試行錯誤の段階ですね。

―― 今後についてはどのようなことをお考えですか? 

課題はさまざまですが、コミュニティー再生のための支援も重要です。コミュニティーをつくるのは地域の方々ですが、そのお手伝いができればと思っています。例えば夏祭りなどの伝統行事の復活は、ぜひ全国の生協にご協力いただきながら、地域のために貢献したいですね。

そして、もう一つは買い支えです。これもぜひ全国の生協にご協力をお願いしたいです。営業を再開するメーカーも少しずつ出てきましたが、以前の取引先がまた契約をしてくれるかどうかは難しいのです。せっかく復活したメーカーが製造を続けられるよう、生協も応援していきたいと思います。
 
大事なことは、被災地を震災前よりもいい町にするために、生協も地域の方々のお手伝いをしていくことだと思います。

―― できる限りご協力したいと思いますので、よろしくお願いします。
 
ありがとうございます。これからもお力添えをお願いいたします。

取材日:2013年2月1日

インタビュー全文(A4版3ページ)はこちら