2012年4月3日、コープふくしまの組合員親子4組と、常務理事の宍戸義広 (ししど よしひろ)さん、理事の渡邊洋子 (わたなべ ようこ)さん、古瀬聡子 (こせ そうこ)さんの計13人が、埼玉県蕨市(わらびし)にある日本生協連商品検査センターを訪問し、放射性物質検査の見学・実習・交流会に参加しました。今回参加された組合員さんは、2011年11月〜2012年3月に日本生協連が行った、「家庭の食事からの放射性物質摂取量調査」に協力してくださった方々です。
「放射性物質の検査がたくさん行われているのは知っているけれど、実際に自分が食べている食事にはどのくらい含まれているのか」という関心に応え、組合員が実際に食べる2日間の食事を1食分ずつ多く作ってもらい、その中に放射性物質がどれくらい含まれているかを調べました。東北、北関東を中心に、全国18都県・250家庭の生協組合員にご協力いただきました。調査の結果はこちら
自分たちが参加した調査が、どのように検査されていたのか?放射性物質の検査ってよく聞くけれど、どうやって測っているのか?日本生協連の和田伊知朗(わだ いちろう)商品検査センター長の話を聞きながら、自分たちの目で見て体験しました。
![冷凍庫の大きさと寒さに驚きながら進んでいきます。](./img/ph_01.jpg)
最初は、各家庭から送られてきた食事を保管する巨大な冷凍庫へ。冷凍庫内はマイナス10℃に保たれ、検査が終わった食事も冷凍保管されています。
![ミキサーの中で、2日分の食事が混ぜられていきます。](./img/ph_02.jpg)
続いて、放射性物質検査の事前準備を行う前処理室へ。
冷凍で送られてきた食事を解凍後、まずは1食ずつの重量を測ります。次に、2日間・6食分すべての食事を、大型のミキサーにかけて均一になるまで混ぜます。きれいに混ざったら、1リットルの容器に詰めて、放射性物質を測る「ゲルマニウム半導体検出器」へ入れ、約14時間かけて測定を行います。
![(上)上手にほうれん草を刻んでいきます。(左)隙間なく、均一に詰めるのがポイント。](./img/ph_03.jpg)
見学の後は、実際に放射性物質検査を体験します。今日は、ほうれん草に含まれる放射性物質を測定。白衣に着替えて準備万端です。
放射性物質を正しく測定するためには、検体(ほうれん草)を均一にすることが大切です。ほうれん草の根元の汚れを洗い落とし、水分を拭き取ったら、細かく刻んでいきます。それを容器に隙間なく詰め、重量を測ったら前処理は完了。
![頑丈な扉の検出器で、ほうれん草に含まれる放射性物質を測定します。](./img/ph_04.jpg)
放射性物質を測る「ゲルマニウム半導体検出器」のある部屋へ移動し、検出器にほうれん草の詰まった容器をセットします。環境中の自然放射線を遮断するため、鉛でできた重いドアを閉めたら計測開始です。
実習の後は、農薬、微生物、アレルゲンや栄養成分など、さまざまな検査が行われている放射性物質検査以外の部屋も見学しました。
![見学会を終え、お母さん方からは、毎日の食に対する安堵の声が。やはり、お子さんへの影響が一番心配だったようです。](./img/ph_05.jpg)
最後に、参加された組合員の皆さんから放射性物質摂取量調査や、今回の見学会の感想をいただきました。
新田祥子さん:2日分の食事を余分に1食ずつ作って送るのは手間がかかるが、検査結果が出て、これからも郡山に残って生活できるという安心感が持てました。摂取量調査をやってよかったです。
佐々木千栄子さん:放射性物質については、難しいことがいっぱいで不安でしたが、説明をしっかりしてもらえたことが安心につながりました。
![子どもたちはかわいいイラスト付きで感想を書いてくれました。難しい話はわからなくても、楽しんで参加してくれたようです。](./img/ph_06.jpg)
谷口宏子さん:福島県産を食べないという人がいる中で、摂取量調査で福島県産を食べても大丈夫と分かって安心しました。子どもにも自信を持ってお店にあるものが大丈夫と言えます。
国分善子さん:昨年新米が出た時期に摂取量調査に参加しました。新米を使った食事を検査してもらい、食べても大丈夫ということが分かり、安心していろんなものが食べられるようになりました。
参加したお母さん方からは安心の声が挙がり、子どもたちは笑顔で「楽しかった!」と言ってくれました。
![左:コープふくしま常務理事 宍戸義広さんからのメッセージ 右:「参加した子どもたちの様子から、福島の復興の可能性を感じました」と話してくれた、コープふくしま常務理事の宍戸さん(後列左から二人目)。参加してくださった皆さん、ありがとうございました。](./img/ph_07.jpg)