復興に取り組む生協からの声〜生協にできること〜 【第12回】いわて生協・歳末コンサート みんな笑顔で民謡を楽しもう!

2011年12月17日(土)と18日(日)の2日間、いわて生協は、民謡ユニット「みらいみんよう」のメンバーによる歳末コンサートを開催した。17日の綾姫ホール(大船渡市綾里地区)、18日のグリーンピア三陸みやこ(宮古市田老地区)ともに、仮設住宅の居住者を中心にたくさんの方が訪れた。

伝統の音と明るい歌声、しなやかな踊りで来場者を魅了する。

「みらいみんよう」とは、民謡を未来の世代へ伝承するために結成されたユニット。今回は、唄、三味線、日舞、尺八、鳴り物の大編成で、地元岩手の「外山節(そとやまぶし)」をはじめ「ソーラン節」や「大漁うたいこみ」など全国の民謡が演奏され、来場者の皆さんは手拍子を打ちながら聞き入っていた。

地域を元気にするために

グリーンピア三陸みやこで開催された18日は、時折太陽が顔をのぞかせるものの、朝から小雪が舞う寒い日だった。そんななか、終演後は会場の外で、あたたかい甘酒とおしるこが振る舞われた。
開場1時間前から友人と並んでいたという女性は、「仮設住宅は狭いし、おしるこを作る気も起こらない。おいしくて、ほっとした。来てよかった」と笑顔を見せていた。

来場者に楽しんでもらうため、香木さん自身も笑顔で参加する。

主催者の一人、いわて生協の組合員理事・香木みき子さんは、「皆さんが笑顔で帰ってくれて、本当にうれしかった。地域を元気にするために何ができるかを、いつも考えています。『かけあしの会※』では、新製品の開発もしているんですよ。お楽しみに」と話していた。

※かけあしの会…いわて生協の店舗「マリンコープDORA」を活動拠点とした復興プロジェクト。

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寂しい年末年始を迎えた皆さんが心配

一杯一杯心を込めて甘酒を注ぐ佐々木さん(中央)。

「こんなにたくさんの方が来てくださると思っていませんでした」と言うのは、いわて生協・前副理事長の佐々木みどりさん。
「クリスマス、お正月と、いつもならにぎやかなはずの年末年始に独りぼっちで寂しい思いをされている方も多いと思うので、喜んでいただいて何より。特に、おつれ合いを亡くされた男性は、どうしても引きこもりがちです。こういう場に来られるよう、どうやってお誘いするかも課題ですね」と話していた。

こういうイベントがあると、ほっとしますね

イベント、被災地の現状、そして自身の思いを語ってくれた佐藤さん。

歳末コンサートに参加されていた、いわて生協組合員・佐藤サチ子さんにお話を伺った。
「仮設住宅は狭いので、どうしても自宅で過ごすようにはいきません。こういうイベントがあると、ほっとしますね。楽しかったです。
震災から9カ月が過ぎましたが、仕事や生活で困ったこと、不安なことはたくさんあります。例えば、仮設住宅にはお仏壇を置けません。この地域では、自宅でお葬式をあげてお仏壇を置くのが一般的なのに、それができないんです。家で供養ができないのは寂しいですね。それから、仕事がないので若い人たちが都会に出て行ってしまい、過疎化が一層進むのも心配です。不安の多い中、生協の役割は大きいと思います」
こういった復興支援イベントが、被災地の皆さんの大きな力になる。そう信じる生協の活動は、これからも続いていく。

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