CO・OP商品のひみつ

CO・OP商品は、日本生協連が開発するプライベートブランド。1960年のCO・OPバターを第一号として、現在は約5000品目もの商品がみなさまに愛用されています。その特徴は、なんといっても「こういうものが欲しい」という組合員の想いを起点にした商品開発です。

たとえば環境汚染が問題視された時代には、河川を汚さない洗剤を。人工甘味料などの添加物の安全性が取りざたされた時代には、誰もが安心して食べられる食品を。その時代、その時代の組合員の想いが形になったのが、CO・OP商品です。

今回、ひみつに迫るのは、CO・OP商品のなかで、1994年の発売から30年以上愛されつづけ、今でも圧倒的な人気を誇る「CO・OPたまごスープ」。2025年3月に行われた「推しコープ 人気投票」でも、2位以下に圧倒的な差をつけてNo.1に輝いた、唯一無二の商品です。

「たまごスープ」は、なぜこんなにも愛されているのか? 今回はその開発・製造を請け負う、八戸東洋株式会社を訪問し、長年愛される秘密に迫りたいと思います。

島崎さん(左)

1991年に東洋水産(株)に入社し、第一研究開発部(現:総合研究所)に配属。開発を担当。2001年より八戸東洋(株)研究開発課。2017年より同 取締役社長に就任(現)。

佐野さん(右)

2009年に入協。システム、物流、営業と渡り歩いた後にコープさっぽろへ出向。2年間宅配業態の食品バイヤーを経験。帰任後は営業企画部門で各種キャンペーン企画の立案に携わる。現在は加工食品部商品担当。

※プロフィールは取材当時

ようこそ、お越しくださいました。

島崎

本日はよろしくお願いします!今日は工場を見学しながら「たまごスープ」が愛されるひみつについて、調査させていただきたいと思います。

佐野

よろしくお願いします!

島崎

このフリーズドライ工場は元々、東洋水産のマルちゃんブランドなど、カップラーメンの具材をつくるためにつくられた、フリーズドライの専門工場だったんです。1993年、八戸東洋にフリーズドライ工場ができたこと、そして八戸市は、商品の生命線とも言える新鮮な液卵(鶏卵の殻を取り除き、中身を液体状にした加工卵)が手に入る環境だったということが、たまごスープの商品化のきっかけになりました。

島崎

なるほど!この場所だからこそ、たまごスープを生み出すことができたんですね。

佐野

当時フリーズドライスープはふだんの食卓向けのものでは数少なく、贈答用の高価なものというイメージでしたね。そこで、日本生協連とご縁があり一緒に作っていくことになりました。

島崎

早速いいひみつを伺えました。

佐野

では、工場の中へご案内しますね。

島崎

こちらは、スープをつくる工程です。なにぶん、企業秘密がたくさんあるので、わかりにくい写真で恐縮ですが、このように液卵を撹拌をしています。

島崎

は〜、なるほど。では、答えられる範囲で製造のこだわりについて聞かせていただけますか?

佐野

「たまごスープ」は、和風や洋風といった特定ジャンルの味ではなく、いつでも誰でも飲める、「万人受け」するスープを目指して開発しました。自然な卵の風味を活かすことにこだわっています。

島崎

たしかに、食事にも、ちょっとしたおやつ感覚でも飲めますし、年齢も問わず飲みつづけられる商品ですよね。

佐野

でも、それは言うが易しで、開発には100回以上の試作を重ねましたね。

島崎

開発で、最も苦労されたポイントはどこですか?

佐野

正直たくさんあるんですが、お湯で溶いた時に、かきたまが浮いたり沈んだりせず全体的にふんわりとしたかきたまが広がる事を実現するのには、本当に苦労しましたね。

島崎

たしかに!お湯を入れると、フワッとたまごが全体に広がっていきますよね。

佐野

まさに、それを実現させるために、何度も何度も試作を繰り返しました。最終的には、たまごの量や質感を調整したり、少し粘性を持たせて微調整を重ねることで、どこをすくってもまんべんなくふんわりかきたまがある状態をつくりだすことができたんです。

島崎

なるほど、何度も何度も試作を重ねて、ついにたまごと相性のいいチキンエキスの黄金比を見つけられたんですね。

佐野

この後、こだわり抜いたスープが、フリーズドライになっていくんですね。

島崎

そうなんです。このようにスープを小分けにして、冷凍し、乾燥させ、包装していきます。

佐野

小分けにしたスープを大きな冷凍庫へ

真空乾燥機。これでスープを乾燥させる

フリーズドライ後のたまごスープ

包装の工程

素敵な笑顔ですね〜。

佐野

現在この工場では、約170人(2025年9月現在)の従業員が、たまごスープを製造しています。

島崎

なるほど、すごく見応えのある工場見学でした。たまごスープはなぜ長年これだけ愛されていると思われますか?

佐野

はじめはなかなか手に取っていただけなかったのですが、生協の宅配の共同購入などで組合員さん同士が口コミでおススメし合ってくださったこと。組合員さんや職員さんに向けて学習会をして商品のよさを知ってもらって、徐々に広がっていったことがあると思います。
組合員の想いを聴きながら、時代に合わせて、塩分を少し減らしたり、うまみとすっきりさのバランスを微妙に調整しましたが、ほとんど変えていません。何回食べても飽きないと言ってくださる方が多いんです。
なので、マニュアル通りに正確に作業しつつ、かきたまの出来具合を確認しながら微調整し、完成度に徹底的にこだわることで、組合員さんに「味が落ちた」「何かいつもとちがう」と言われないような、丁寧なものづくりをつづけています。
そして、その徹底した品質へのこだわりを、歴代のたまごスープづくりを担当した社員が受け継いできたからこそ、これだけ多くの組合員のみなさんに飲み続けられているのではないかと感じています。

島崎

確かに、組合員さんは本当に鋭いですからね。商品の入れ替わりが激しいスープの業界で30年以上愛されているというのは、それだけ丁寧に真心を込めて組合員さんに向き合っていただいたんだろうなと感じました。八戸東洋さんは、組合員さんに向けた工場見学や、商品の学習会にも力をいれていただいています。

佐野

そうですね。最近の学習会の中で、「家族3世代で食べてます」なんて声もあり、すごく励みになりました。そういう意味でも、たまごスープは組合員さんに育ててもらった商品だなと、強く感じていますね。

島崎

本日はありがとうございました。いやあ、勉強になりました。

佐野

こちらこそ、ありがとうございました。

島崎

取材を通じて、たまごスープがなぜこれほどまでに愛され、支持されているのか、その核心に触れられた気がします。やはり、たまごスープが世代を超えて食卓に受け継がれているのは、組合員と作り手がともに考え、悩み、喜びを分かち合いながら、二人三脚で育ててきたからこそ長年愛される商品になったのだと思います。

佐野

「非効率を貫く」それが一番のひみつかもしれませんね。本日お見せすることはできなかったのですが、たまごスープはその出荷数にしては、小さな鍋で作られています。鍋を大きくすれば、生産効率は上がるのですが、組合員さんに満足してもらえる品質を保つことが難しいんです。この丁寧さ、非効率さは、大きなひみつなのかもしれません。

島崎

そこに生協らしさがあるのかもしれませんね。たまごスープに限らずCO・OP商品はすべてが「消費者である組合員の願いや想いをかたちにしたもの」であり、それをつくりあげてきたのは間違いなく、組合員さんと取引先(製造工場)の方々だなと感じました。島崎さん、これからもよろしくお願いいたします。

佐野

こちらこそ。これからもよろしくお願いします!

島崎

続いては、『生協と平和』です!
実は、ふか〜い関わりがある、生協と平和。
「平和とより良い生活のために」——この言葉は、日本生協連の創立宣言の一節。実は、生協にとって平和活動は、アイデンティティと言えるほど深い"つながり"があるんです。 生協と平和

佐野