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日本生活協同組合連合会オフィシャルサイト

生協の「つながる力」2021 生協の震災復興支援10年の記録

2011年3月11日に発生した東日本大震災は、マグニチュード9.0の大地震と、その後の巨大津波によって、東日本の広域にわたって甚大な被害を及ぼしました。
さらに、震災と津波は、東京電力福島第一原子力発電所の事故も引き起こしました。

『生協の「つながる力」2021』は、この震災から人々のくらしと地域の復興を願い、全国の生協がともに取り組んできた復興支援の10年間の記録です。『生協の「つながる力」2021』は、この震災から人々のくらしと地域の復興を願い、全国の生協がともに取り組んできた復興支援の10年間の記録です。

生協の被害状況生協の被害状況

東日本大震災における被害は、広域なエリアに及び、生協では、多くの「人的被害」や「物的被害」を受けました。

「人的被害」では、死亡・行方不明など、大勢の組合員や職員、その家族、大切な人が犠牲になりました。

「物的被害」としては、東日本太平洋側の生協を中心に、本部、店舗、宅配センターなどの施設や、各事業連合などの物流施設も大きな被害を受けました。店舗の壁落ちや天井の落下、商品の散乱などは、関東地方を含めた広範な地域に及びました。また、多くの組合員や生協職員の自宅も全壊、半壊などの被害を受けました。

  • みやぎ生協 新田東店(仙台市宮城野区)の被害の様子。天井が崩れ大きな被害を受けた
  • 2010年11月に建てられたばかりの共同購入釜石センターが、津波により大きな被害を受けた(いわて生協)
  • 大きな被害を受けたみやぎ生協本部内部の様子
  • 軒下の天井が落下したコープマート保原
    コープふくしまで最も大きな被害を受けた店舗の一つ
  • 店内の天井が落ち、配線がむき出しになったコープふくしまのコープマート国見
  • コープながのは災害協定を結ぶ栄村役場からの要請を受け、避難所へ支援物資を届けた

発災直後の対応発災直後の対応

発災直後、被災地生協の本部では、通信手段を絶たれながらも、必死に現場の状況把握に努めました。本部と連絡がとれず孤立した店舗や宅配センターでは、職員の臨機応変な対応で、復旧作業を進めながら商品を供給し続けました。

日本生協連では、発災当日の夜、関連会社のシーエックスカーゴ桶川流通センターより、水、食料などの支援物資を積んだ大型トラック4台を出発させ、翌3月12日朝には仙台市内のみやぎ生協に到着しました。その後、続々と全国の生協からの支援物資が、被災地生協に届けられました。

また、被災地のCO・OP共済契約者に一刻もはやく共済金・異常災害見舞金を支払うための請求受付をする大規模な訪問活動を全国の応援者と共に展開しました。全国の組合員のお見舞いの気持ちも折り鶴に込めて一緒に届けました。当時の活動はコープ共済連のホームページで紹介されています。

  • 沿岸部にあったいわて生協・マリンコープDORAでは、海に近い場所にあった他のスーパーが被害を受けていたため、地域にとって数少ない頼れるスーパーとして商品を供給し続けていた
  • いわて生協・マリンコープDORAの店内には、地域住民に向けて復興に向けたエールを貼り出した
  • ウィズを会場にした災害対策本部会議の様子(2011年3月13日撮影)(みやぎ生協)
  • 震災直後から、連日、店を取り巻くように長い列ができた。国見ケ丘店(2011年3月18日午前10時)(みやぎ生協)
  • 現場では臨機応変な判断で、営業時間や販売方法を工夫。
    国見ヶ丘店では、多くの人に行きわたるように購入点数を制限(みやぎ生協)
  • 軒下の天井が落下したコープマート保原店。震災の翌日には屋外で商品を販売(2011年3月12日)(コープふくしま)

被災地の復興支援被災地の復興支援

-つながりで支えるくらしと地域--つながりで支えるくらしと地域-

被災地生協は、自らも大きな被害を負いながら迅速に事業を復旧させ、地域に商品を供給し続けました。また、震災直後、十分な食料が行き届かず不自由な生活を強いられた被災者を支えるため、避難所での炊き出しやおにぎりなどを届ける支援活動も展開しました。
その後、ボランティアセンターを立ち上げ、全国の生協から支援者を受け入れ、家屋の内外の片付けや泥の撤去作業などを行うことで地域の復興を目指しました。

さらに、買い物に不自由する方々を支援するため「移動販売車」や「買い物バス」を運行し、避難所やお店が近くにない地域で暮らす被災者の日々の生活を支える取り組みも行いました。

一方、発災後1年間で全国の組合員から寄せられた義援金と生協からの見舞金を合わせた募金額は42億円にのぼり、被災者の生活再建やくらし復興に役立てられました。

  • いわて生協のCVCが呼び掛けて行われたボランティアの様子。
    がれきの撤去には重機による作業と、ボランティアができる人手による作業領域がある
  • いわて生協のCVCのボランティアバス。
    早朝に、ボランティアをする目的地へ出発する
  • 組合員から集めた生活用品などを被災者の方に提供する「おゆずり会」の様子(みやぎ生協)
  • みやぎ生協・蛇田店で開催された音楽コンサート
  • 岩手県の仮設住宅での「にこちゃん号」。
    幼児からお年寄りまで、多くの人が列をなす(いわて生協)
  • いわて生協のお買い物バス。
    買い物客同士の車内での会話もはずむ
  • お買い物バス利用者の買い物風景。お買い物時間は、当時マリンコープDORAは70分、ベルフ西町は50分。店舗の規模に合わせて設定した(いわて生協)
  • コープこうべの店舗での募金活動

長期的な避難者への支援長期的な避難者への支援

避難所や仮設住宅での生活が長期化する中で、被災地の生協と全国の生協は、仮設住宅でのサロン活動といった人びとが集まる場づくりや支援を進めました。新たな地域のコミュニティーを支え、被災者に寄り添いながら、生活の不自由の解消に努め、最後の仮設住宅がなくなるまで息の長い支援を続けました。

福島県では、地震、津波と東京電力福島第一原子力発電所事故により、多くの人が避難し、慣れない地での生活をスタートさせました。全国の生協では、このような広域避難者の方々に、支援物資を提供したり、地域住民と交流できる場を提供したり、物心両面からの支援を行いました。

  • 2020年7月3日に陸前高田市のサンビレッジ会場で開催されたお別れ会。参加者16人とボランティア12人が参加(いわて生協)
  • 2020年7月22日に陸前高田市の滝の里仮設住宅会場で開催されたお別れ会。みんなで高田音頭を踊るなど、楽しい時間を過ごした(いわて生協)
  • 運動不足にならないよう体を動かす企画も取り入れました(いわて生協)
  • 手芸キットを使用しながら縫い物をしている様子(いわて生協)
  • 南三陸町の志津川地区での芋煮交流会の様子【写真提供:UR都市機構】(みやぎ生協)
  • 芋煮交流会によって、復興公営住宅の入居者同士の交流が生まれた【写真提供:UR都市機構】(みやぎ生協)
  • コープあいちが運営協力する愛知県被災者支援センターが開催する、避難者と支援者が交流する「いっしょにやりますの集い」
    写真は2012年9月9日(日)一宮総合福祉センターおもいやり館

事業者や生産者の復興支援事業者や生産者の復興支援

-全国とともに支え続けて--全国とともに支え続けて-

被害を受けた事業者や生産者は、さまざまな支援により立ち直り、事業継続を実現させていきます。それに応えるように、全国の生協では、被災した地域の産品を「買って支える」取り組みを広げていきました。

福島県産品の風評被害が深刻化する中で、全国の生協では、生産者や組合員との交流会を実施し、風評被害を防ぐために正しい情報を伝える機会を設けました。また、それぞれの地域で福島県産商品を買い支える応援を広げていきました。

コープ東北サンネット事業連合(※)においては、東北の6県のよりすぐりの食材や加工品から作る新ブランドを立ち上げ、東北の食の魅力を全国に発信する試みも行っています。生協は、事業者や生産者と共に、真の復興に向けて長い道のりを歩んでいます。
※ コープあおもり、青森県民生協、いわて生協、コープあきた、生協共立社、みやぎ生協・コープふくしま、コープあいづ。

  • 2019年3月には大分県にて、コープおおいた、大分県主催による福島復興支援イベント「しんけん、ふくしまからはじめよう」を開催した
  • 福島県から生産者を招いて福島県産のりんご(ふじ)やイチゴ(とちおとめ)などの果物のほか、お菓子、地酒、お土産物などを販売した(コープおおいた)
  • JAふくしま未来から「絆の証」として贈られたリンゴの苗木は 東峰村定住促進住宅中原団地と エフコープ本部に植樹された
  • 福島県内の農協と協働で「秋の地産地消祭り・JA全農フェア」も開催している(みやぎ生協)
  • 生産者の情熱がこもった、安全・安心の商品を提供する(コープ東北サンネット事業連合)
  • 『~とうほくてしごとカタログ~FUCCO(フッコ)』(みやぎ生協)

福島の復興支援福島の復興支援

福島県を中心に、東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う放射性物質による汚染の不安は、今もなお続いています。
コープふくしま(現:みやぎ生協・コープふくしま)では、自治体が行う除染ボランティアの登録窓口の役割を担い、地域での除染活動を始めました。除染カーの導入や、除染を手掛ける専門部隊を立ち上げ、安心して暮らせる地域を取り戻す活動を進めてきました。

また、日本生協連商品検査センター(埼玉県蕨市)では、全国の生協とコープふくしまの協力を得て、福島県の家庭の食事に含まれる放射性物質の摂取量調査を実施してきました。科学的な根拠に基づいた安全・安心の情報を、被災地域で暮らす人びとに届け続けています。

放射線によって汚染された地域の子どもたちは、自由に外遊びができなくなりました。そんな子どもたちのために、福島県生協連の呼びかけで始まったのが、「福島の子ども保養プロジェクト(愛称:コヨット!)」です。これは、放射能によるさまざまな制約がある日常生活から離れてのびのび過ごす心身のケアの取り組みです。全国の生協が一丸となって取り組んできた結果、2020年3月末現在、1,826企画、延べ86,016人の子どもが参加する一大プロジェクトに発展しています。

  • 何年間にもわたり住み続ける人の健康を守るために、放射性物質除染ボランティアを実施(コープふくしま)
  • 表土を2cmほどシャベルで削り、その土をビニール袋に入れて運び出した(コープふくしま)
  • コープふくしまの除染カー。
    除染のために必要なさまざまな道具を積んでいる
  • 空間線量を測るコープふくしまの菅原さん。放射線量の高い場所を探るには、地道な作業が必要となる
  • 放射線量の高い場所は、研磨機で表面を削っていく。国際協同組合同盟(ICA)からの寄付で購入したという(コープふくしま)
  • 研磨機が使えない狭い場所は、手作業でコンクリートの表面を削る(コープふくしま)
  • 削った粉が飛散しないように、集塵機で吸い取りながら行う。こちらは、ならコープの寄贈(コープふくしま)
  • コープふくしまの組合員の親子が日本生協連商品検査センター(埼玉県蕨市)を訪れ、食品に含まれる放射性物質の測定を見学・体験した ①検査機にかけるため食品を細断
  • コープふくしまの組合員の親子が日本生協連商品検査センター(埼玉県蕨市)を訪れ、食品に含まれる放射性物質の測定を見学・体験した ②機械を使用して、さらに細かくしている
  • コープふくしまの組合員の親子が日本生協連商品検査センター(埼玉県蕨市)を訪れ、食品に含まれる放射性物質の測定を見学・体験した ③測定結果を確認
  • 放射性物質摂取量調査の参加者のつどいでは、納得いくまでさまざまな質疑応答が行われた(日本生協連・コープふくしま)
  • 「福島の子どもたちを三重にお招きする保養企画」コヨット!in三重の様子。
    福島県外受入企画は、北海道、青森県、岩手県、秋田県、群馬県、茨城県、埼玉県、東京都、神奈川県、長野県、新潟県、静岡県、岐阜県、三重県、富山県、石川県、奈良県、大阪府、兵庫県、岡山県、山口県、愛媛県、徳島県、佐賀県、長崎県、熊本県で実施されている(2020年3月現在)
  • 2016年3月に「コヨット!inくまもと」が開催。その後、熊本地震が発生。参加した福島の子どもたちから心配の声が上がり、激励のメッセージが寄せられました

被災地から学ぶ被災地から学ぶ

日本各地で、毎年のように災害が起こり、どこがいつ被災地になってもおかしくはありません。そのような中で、全国の生協では、被災地生協が得た教訓を、自分たちの地域に生かそうと試みてきました。

被災地の人びとからの、「被災地を見に来てほしい」「二度と同じ不幸を起こさないで」、そんな声を受けて、全国の生協では組合員と共に訪れる被災地見学ツアーを実施しました。また、被災地の方々を自分たちが暮らす地域に招いて、震災の教訓を話してもらうケースもありました。

日本生協連と全国の生協では、東日本大震災における災害対応において出来たことと出来なかったことを教訓化し、それぞれの役割分担や物資支援の連携方法を整理した全国生協大規模災害連携計画(全国生協BCP)を策定しました。
過去の災害対応を教訓化し、未来に生かすために、その後も大きな災害などが起きるたびに改定を重ねています。

2021年2月19日にオンラインで開催した「東日本大震災を忘れないつどい~3.11から10年~」では、被災地生協のこれまでの復興の取り組みと次の災害に備え継承すべき教訓を学びました。

  • コープこうべの「震災を考えるつどい」では、2013年3月11日、14時46分に東北に向かって全員で黙とうを行った
  • コープおおいたでは通常総代会後に福島復興支援交流会を開催 ①交流会の様子
  • コープおおいたでは通常総代会後に福島復興支援交流会を開催 ②福島から講師を招き、実情を説明してもらった
  • コープおおいたでは通常総代会後に福島復興支援交流会を開催 ③コープおおいた職員が福島を訪問した報告も行った
  • JAふくしま未来のモニタリングセンターを見学(主催:日本生協連)
  • 東北大学災害科学国際研究所 柴山明寛准教授の講演「東日本大震災から今だから学びとれるもの」(2021年2月19日東日本大震災を忘れないつどい)

記録・記憶の継承記録・記憶の継承

みやぎ生協が立ち上げた「東日本大震災学習・資料室」では、震災の体験と、みやぎ生協の取り組みを後世に伝えることを目的に、写真や動画、関連資料が展示され、誰もが自由に訪れることができます。

Webサイト「東日本大震災からの復旧・復興をめざして」では、震災直後の災害対策本部、店舗、共同購入、共済の職員などが、どのように判断して行動したのかが、現場の写真とともにまとめられており、今後の災害にいかに備えるのかという多くの学びが詰まっています。また、阪神・淡路大震災を経験したコープこうべと共に、震災の教訓を冊子「将来の“自然災害”に備える こうべ&みやぎからのメッセージ」にまとめています。
コープふくしまでも、東日本大震災における福島の復興、再生、農業風評被害克服、被災者支援など、これまでの原発事故に向き合った6年間を本にまとめています。

私たちは、甚大な被害をもたらしたこの東日本大震災を決して忘れてはなりません。
被災地への物資提供や災害ボランティアセンターの運営、サロン活動など、多岐にわたって生かされた「つながる力」こそ、東日本大震災で得られた教訓です。
この震災の記憶を風化させず継承し、これからも助け合い支え合える地域社会を共につくっていきましょう。

  • 「東日本大震災学習・資料室」(みやぎ生協) ①2019年に「東日大震災学習・資料室」が「震災伝承施設」に登録された
  • 「東日本大震災学習・資料室」(みやぎ生協) ②シアタールームでは、東日本大震災の混乱の中、みやぎ生協がどのような動きをしたかをまとめた記録映像を見ることができる
  • 「東日本大震災学習・資料室」(みやぎ生協) ③施設入口には、みやぎ生協の取り組みダイジェストが見られるデジタルサイネージを設置。
    また、河北新報の発災当日の号外から順次展示されている
  • 「東日本大震災学習・資料室」(みやぎ生協) ④震災や津波などテーマ別に資料などが展示されている。
  • 「東日本大震災学習・資料室」(みやぎ生協) ⑤地域別の実際の津波の高さが表示された柱
  • 『ともに力を合わせて…地域とともに これからも 記憶そして記録~コープふくしま 原発事故に向き合った6年間』
  • 『将来の“自然災害”に備えるこうべ&みやぎからのメッセージ』

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東日本大震災の概要や復旧・復興の取り組み、そして地域や諸団体との連携について、これまでの取り組みをまとめました。本誌が東日本大震災とその経験を語り継ぎ、未来への備えとなることを希望いたします。

生協の「つながる力」2021

ブックタイトル

生協の「つながる力」2021

生協の震災復興支援10年の記録

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